2016年8月13日土曜日

「疲れやすさ」と寝たきりと

頑張って仕事や家事をしたり、体を動かしたあとは、年齢に関係なく誰でもだるさや疲れを感じます。

そんなとき、「単なる働きすぎ」「運動のしすぎ」と受け流していませんか?

もともと日本人はとても真面目で勤勉な人が多いので、若いころから「疲れる」ということに慣れており、疲れをあまり気にしません。

頑張ったのだから疲れて当然、こんなものだろうと、十分な休息もとらずに無理をしすぎる傾向すらあります。

若いうちはそれでもよいのですが、40代、50代になり、「以前より疲れやすくなった」「疲れが抜けなくなった」と感じたら、「年のせいかな」とため息をつくだけでなく、筋肉の衰えを疑ってみましょう。

運動をしてエネルギー不足になると、肝臓や筋肉に蓄えられているグリコーゲンという糖の一種が分解され、エネルギーが生産されます。

このとき、副産物として発生する乳酸が蓄積すると「疲れた」と感じるため、かつては乳酸=疲労物質と考えられていました。

しかし、最近では、乳酸自体は、決して悪者ではないことがわかってきました。

ふつうなら、乳酸は肝臓に運ばれてエネルギーの元となるグリコーゲンをつくるために使われます。

そのため、時間が経てば血液中の乳酸は徐々に減り、疲れも回復します。

ところが、運動不足の人、血流がよくない人、そして筋肉屋が少ない人は、なかなか血液中の乳酸が減らず、疲れが抜けにくくなったり、慢性的な疲労を感じるようになります。


考えてもみてください。

仮に100の力をもった人が10kgの荷物を持ち上げるのと、50の力をもった人が同じ10kgの荷物を持ち上げるのとでは、疲れ方が違うのは当然なのです。

そのため、筋肉量が減ると疲れやすくなるだけでなく、血流が悪化し、エネルギーの生産効率も低下して、さらに乳酸がたまりやすくなります。

だから、ただ歩くだけでもだるい、疲れると感じるようになるわけです。

筋肉の量は、ある日突然ガクンと減るわけではないので気づきにくいのですが、何もしなければ、筋肉はそのまま少しずつ、しかし着実に減少し続けていきます。

すると、いずれは歩くことはおろか、立つこと、起き上がることも困難になり、寝たきりへとまっしぐらなのです。

その前に糖尿病や認知症などになってしまうかもしれません。
 
「あんまり脅さないで!」と思われるかもしれませんが、これはあくまでも「何もしなかった場合」の話です。

筋肉の衰えは40代から加速し、50代から顕在化しはじめますから、
その年代になって疲れやすくなってきたと感じたら、けっして放置せず、

「本気で筋肉を増やそう!」と考えるべきです。

それが、将来の寝たきりを防ぐ第一歩なのです。



関連参照

中高年からの筋肉作り  
転ばぬように、歩き続ける方法
つまらんことでしょうか

和食のイロハ

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