2015年12月29日火曜日

脂肪肝は酒をやめなくても治る

成人病といえば、アルコールとの関係を気にしている人も多いでしょう。

お酒の好きな人にとって成人病との関係は重大な問題に違いないのです。

「健康のために」と思って好きなお酒を無理にやめると、かえってストレスが増大してしまいます。

お酒の飲みすぎは、脂肪肝肝炎など肝臓の病気と深く関わっています。

脂肪肝とは、肝臓の細胞細に必要以上の脂肪が蓄積された状態のことで、これを放っておくとアルコール性肝炎を招くことがあり、さらに肝硬変を惹き起こします。

したがって、深刻な病気を避けるには、脂肪肝の段階で手を打っておくべきでしょう。

肝臓は、ビタミンやグリコーゲンなど、いろいろな物質を溜める働きをする臓器です。

しかし本来、脂肪は溜めないようにできているのです。

作られた脂肪は、コレステロールを包むリポタンパクとともに運び出される仕組みになっています。
 
脂防肝になるのは、その仕組みがうまく働かなくなるためです。

リポタンパクを運び出す能力は、あらかじめ遺伝的に決まっています。

脂肪の量がその能力に見合ったものなら、肝臓に脂肪が残ることはないのです。

ところか何かのきっかけで、脂肪を合成する働きが、運び出す能力を上回ってしまうことがあります。

そこで余った脂防が、肝臓に溜まりはしめるのです。

とくにアルコールを代謝するときに、そういう状態になりやすいのです。

だから医者は、脂肪肝の患者に対して、「お酒をやめなさい」と言うのです。
 
たしかにアルコールを絶てば、2週間ほどで肝臓は元の状態に戻ります。

しかし、脂肪肝を解決する方法は断酒だけではありません。

好きなお酒をやめなくても、必要な栄養を十分に摂っていれば、肝臓を正常に機能させることかできるのです。
 
その酒飲みにとってありがたい栄養とは、ビタミンB群に属するコリンとイノシトールという2つの抗脂肪肝因子で、これはレシチンにも合まれている物質です。

また、アルコールを代謝するときにニコチン酸というビタミンが消費されるのです。

したがって、脂肪肝が気になる酒飲みは、なるべくビタミンB群やレシチンを多く含んだ豚肉、豆顛、チーズなどのツマミを食べながらお酒を飲むようにするといいのです。

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2015年12月22日火曜日

コレステロール降下剤が胆石を作る?


コレステロールが体にとって問題になるのは、リポタンパクというタンパク質に包まれた状態で血液の中を流れているそのパッケージ自体が壊れてしまったときです。

血管の中を移動中に活性酸素という有害物質にぶつかると、リポタンパクが酸化されて梱包がほどけてしまうのです。

活性酸素はガンを含めたさまざまな病気や老化の原因を作り出すタチの悪い物質だと考えばよいでしょう。

リポタンパクという宅配便のパッケージは、活性酸素という暴走族と衝突すると、積み荷の酸化コレステロールを血管中にばらまいてしまうのです。
 
すると、こんどはマクロファージという掃除機のような細胞が登場して、散乱した荷物を自分の中に取り込んで片付けようとします。

しかし、酸化されたリポタンパクの数が多すぎると、マクロファージの働きだけでは問に合わないのです。
そこで助っ人役を演じるのが、血管壁にある平滑筋の細胞です。

この平滑筋細胞やマクロファージがコレステロールを取り込むことによって生じるのが、アテローム(粥状降起)と呼ばれるものです。

アテロームは、脳梗塞の原因にもなる厄介者です。

その厄介者を調べたところ、
中にコレステロールが溜まっていたために、コレステロールが目の敵にされるようになったのです。

そこでコレステロールの値が高いと、
医者はすぐに降下剤を飲ませますが、これには胆石という副作用が待ち受けているのです。

しかも血中コレステロールが低いと、脳出血やガンによる死亡率が高くなります。

しかし、問題はコレステロールそのものではありません。

活性酸素によってリポタンパクが破壊されて、
コレステロールが本来の流通経路からこぼれてしまうことが問題なのです。

コレステロール自体は必要な物質なのだから、それを滅らすことを考えるより、
・リポタンパクが破壊されない方法か、
・あるいは破壊されてゴミになってしまったコレステロールを体外に出す方法を考えるべきでしょう。

『悪玉』と呼ばれるLDLも、正常に運ぱれているかぎりは体にとって貴重な資源なのです。

リポタンパクを守るためには、活性酸素という悪党を退冶してくれる物質を摂取すればいいのです。

そういう物質を総称して、「スカベンジャー(掃除屋)」と呼ばれています。

要は、食べ物から摂る栄養が解決のカギを握っているのです。
 
では、壊れたリポタンパクから放り出されてゴミになったコレステロールは、どう処理すればいいのでしょうか。

体内の不要物は、大便か尿に混じって排泄されるのがふつうです。

ところが水に溶けないコレステロールの場合は腎臓で処理できないため、胆汁に混じって捨てられるのです。


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コレステロールを善玉・悪玉に分けることの危険性
コレステロールは、健康の味方!

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2015年12月15日火曜日

コレステロールは、健康の味方!


中年を過ぎた人が健康診断や入間ドックのときにいちばん気にするのは、おそらくコレステロールでしょう。

成人病といえば、多くの人がコレステロールを連想するぐらい、この物質は世間から目の敵にされています。

だが、なぜコレステロール値が成人病に結びつくのかを、正しく理解している人がどれだけいるのでしょうか?

日本では、それをきちんと説明してくれる医者は皆無に等しいのです。


そのため、ほとんどの人は、ただ

「コレステロール値が高いと成人病になりやすい」としか言わない医者の言葉を真に受けて、

「食事制限をしなさい」とか「コレステロール降下剤を飲んでください」

という指示に素直にしたがっているにすぎないのです。


そこに製薬会社がつけこみ、コレステロール対策を謳い文句にした健康食品のコマーシャルをどんどんと流します。

そこで、日本人は挙げてコレステロールのことを、成人病の病原体であるかのように信じてしまうのです。
 
しかし、もちろんコレステロールは病原体のようなものではないし、それが直接、成人病を引きおこすわけでもないのです。

それどころか、コレステロールは体にとって必要不可欠な物質なのです。

これがなければ、私たちは健康な肉体を維持することができないのです。


たとえば、皮膚の細胞は約4週間で代謝回転するように、細胞は常に新しいものに作り替えられていますから、その材料となるものをいつも用意しておかなければならない。

それを私たちは食べ物から摂取したり、体内で作り出したりしているのです。

脂質の一種であるコレステロールも、細胞を作るときに必要な材料の一つなのです。

すべての細胞は細胞膜に包まれています。

その細胞膜を作る成分として、コレステロールはきわめて重要な存在なのです。

この材料が不足していると、新しい細胞を正しく作ることができなくなってしまうのです。


コレステロール不足がガンを招きやすいといわれるのもそのためで、細胞膜が弱いと、その部分がガン化しやすいわけです。

また、皮膚にあるコレステロールは紫外線を浴びるとビタミンDの前駆体になります。

ビタミンDは、とくにカルシウムの吸収に必要とされる物質です。


したがって、コレステロールか少ない人はビタミンDが不足し、
その結果、カルシウムの吸収が不十分になって骨が弱くなってしまう恐れがあるのです。
 
さらにいえば、女性ホルモンや男性ホルモンは、ストレスを受けたときに副腎皮質から分泌されます。

抗ストレスホルモンなども、コレステロールがなければ作ることができないのです。


それだけ重要な役割を担っている物質だから、コレステロールは体内でも作られています。

肝臓で作り出しているコレステロールの量は、私たちが食品から摂取する量の数倍になるでしょう。


こんなに大切な物質が、単に「成人病の原因」としか思われていないとしたら、まったく困ったことなのです。

また、患者にそういう偏った情報しか与えない医者は無責任としかいいようがないのです。



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2015年12月8日火曜日

コレステロールを善玉・悪玉に分けることの危険性

コレステロールは、肝臓でリポタンパクというタンパク質に包まれています。

宅配便のパッケージみたいなもので、梱包された状態で血液の中を流れて、必要なところに届けられます。
 
このリポタンパクというパッケージには、いくつか種類があります。

その中でもしばしば問題にされるのが、

俗に
「善玉コレステロール」と呼ばれるHDLと、
「悪玉コレステロール」と呼ばれるLDLです。

つまり、この「善玉」と「悪玉」は正確にいえばコレステロールそのものの種類ではなく、コレステロールを梱包したパッケージのことなのです。

この時点ですでに、コレステロールに関する一般の情報には不正確な部分があるのです。
 
・LDLが肝臓から発送されてコレステロールを必要とする組織へ運ぷのに対し、
・HDLはたとえば、血管壁などで余ったコレステロールがあると、それを元の肝臓へ持って帰る役割を担っています。

往路のLDLにはコレステロールが多いが、復路のHDLには少なく、代わりにレシチンが多いのです。

HDLは回収したコレステロールをLDLに戻すこともやってのけます。
 
そもそも血中コレステロールを目の敵にするのは、動脈硬化や心臓病などの促進因子という考え方からですが、LDLに対してHDLの割合が多ければ問題は生じません。

それがHDLを善玉と呼ぶ所以なのだが、LDLもHDLも、それぞれに任務を果たすために存在していることを忘れてはなりません。

必要とされるからこそ、わざわざ梱包して、ていねいに運んでいるのです。


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2015年12月1日火曜日

ごはんを食べない人は乳ガンになりやすい!?



病院でたくさんの患者さんに食事指導をしてきた、管理栄養士はこんな風に言います。

30~40代で乳ガンになる女性に共通して言えることがあります。

それは、みなさん、あまり、ごはんを食べていないということです。

1日1回、あるいは、1回もごはんを食べていない、という人ばかりだったのです。
 
それでは何を食べているかというと、
朝はパン、昼はスパゲティ、夜になってようやく、ごはんを食べようかという人がほとんどでした。
 
夕食を外食で済ませるとなると、洋食が中心になります。

こうして、1日1回もご飯を食べない生活が当たり前になっていたのです。

若くしてがんになる人、ならない人の食事内容を見ていると、
がんになる人の多くが、ご飯を食べない食生活を送っているからです。

ごはんを食べないと、複合的な理由で、体はどんどん老化していきます。

パンやパスタ、ピザとかハンバーガーといったカタカナ食が1日2回以上になっている人は要注意です。
 
体が不完全燃焼して、どんどん老化が進み、さまざまな病気を呼び込む体貿になっていると思ったほうがいいでしょう。


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2015年11月24日火曜日

腸の汚い人が増えている

日本では最近、「腸内環境」という言葉をやたら耳にするようになりました。

専門家によれば、実際、食べた栄養素を吸収する最終地点である腸の状態が悪い人が非常に増えています。

これは、穀物や野菜が少なく、高タンパク、高脂肪の食生活を続けていることが大きな原因だと言われています。

日本人は、もともと農耕民族なので、タンパク質の分解能力が弱く、タンパク質を取りすぎると腿内に未消化のタンパク質が残りがちになります。

未消化のタンパク質は、体にとって毒なのです。

さらに、日本人は西洋人に比べて腸が長いのでそれらの毒が長く腸内に留まってしまうのです。

また,便秘などで、腸壁が堅い排泄物と粘液に覆われている状態も問題です。

これはすべて、大腸ガンの原因になる発ガン改物質が作られる原因にもなります。

このように、腸が汚いと、あらゆる栄養素はもちろん、とくにミネラルが吸収されにくくなり、体に大きなダメージを与えます。

ソフトな断食のイメージの「ファステイング」は、腸の健康を回復するためにも非常に有効だとして、
いま注目されています。

2015年11月19日木曜日

食生活指針の変遷-2

2000年3月、厚生省(現厚生労働省)は農林水産省、文部省(現文部科学省)と連携を図って、指針に代わるものとして新しい食生活指針を策定・公表した。

ここでは主食、主菜、副菜を基本に食事のバランスを」の表現は残されたが、

「1日30品目」の表現は削除された。



厚生省(当時)の担当者は、

「30の数字を絶対視して食べ過ぎてしまうことがあり得るので、数値表示をしなかった」のだという。
 
なお、以上の食生活指針は、
成長期~青年期~壮年期の日本人を対象としたものであるが、
1990(平成2)11月農林水産省が策定した7項目の「新たな食文化の形成に向けて-90年代の食卓への提案」のなかで、ライフステージ別に心がけたいこととして以下のような提案を行った。

*幼児期には:多様な素材と多様な味に慣れさせ、豊かな食歴をつくりあげよう。
*青少年期には:生活リズムにあった食生活を確立しよう。
*壮年期には:ゆとりとうるおいのある食卓づくりに心がけよう。
*高齢期には一食を通じて,|止代を超えたコミュニケーションの輪を広げよう。
 
幼児期に対する指針(成艮期の偏食を予防することを目的として)かはじめて提唱されたが、それ以上具体的な内容はなく、以後,幼児期に対する指針は改訂されていない。

少子化の傾向がますます著しくなるなかで、育児経験の浅い母親が、育児上の助言と支援や、より具体的な指針を必要としていることに関係機関は対応する必要があるだろう。


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2015年11月18日水曜日

食生活指針の変遷 1

日本国民が、毎日食べる食品数を意識しはじめたのは、
1985年5月、厚生省(当時)が「健康づくりのための食生活指針」

のなかで、「1日30食品を目標に」と呼びかけて以来のことである。
 
当時、弁当・惣菜などの調理済み食品、加工食品、ファストフードなどが広く出回るようになり、
飲食店などの外食産業も急成艮した。

その結果、国民の栄養素摂取源か多様化したが、必要な栄養素の量比が偏っている可能性のあることか危惧された。

栄箆成分をバランスよく摂るためには、偏食を避けて、できるだけ多種類の食品を祖合わせて食べることが肝要だとして、その数値目標として1日30品目の食品摂取が、当時の「健康づくりのための食生活指針の中で提唱されたのであった。

具体的には、

●健康づくりのための食生活指針(1985年5月)

1.多様な食品で栄養バランスを
・1日30食品を目標に
・主食,主菜,副菜をそろえて

2.日常の生活活動に見合ったエネルギーを
・食べ過ぎに気をつけて,肥満を予防
・よくからだを動かし,食事内容にゆとりを

3.脂肪は量と質を考えて
・脂肪は摂り過ぎないよ引・こ
・動物性の脂肪より植物性の油を多めに

4.食塩を摂りすぎないように
・食塩は1日10グラム以下を目標に
・調理の工夫で,むりなく減塩

5.こころのふれあう楽しい食生活を
・食卓を家族ふれあいの場に。家庭の味,手づくりのこころを大切に

2015年11月17日火曜日

「マヨケソ」が日本人の味覚をダメにした

マヨネーズ、ケチャップ、ソース。

日本人には、おなじみのこの調味料、まとめて「マヨケソ」と呼んでみます。

このマヨケソは、味のインパクトが大きいため、小さい子供の頃から食べてしまうとやっかいです。

なぜなら、「この味しかおいしいと感じなくなってしまう」からです。

最近は、なんにでもマヨネーズをかけて食べる人をマヨラーなどと言っています。
 
このマヨラー、サラダだけでなく、ごはんにも、カツ丼にも、焼き魚にまで、マヨネーズをかけて食べるそうですね。

いつも、かばんの中に自分専用のマイマヨネーズを持っていて、学校でも会社でも、外で買い食いをするときでも、マヨネーズをかけて食べる人もいると聞きます。
 
マヨネーズのチューブをそのまま吸って食べるなんていう人もいるそうですが、
ここまでくると「味覚障害」、もう一種の病気です。
 
マヨネーズの味さえついていればいいわけですから、旬の野菜がおいしいとか、新鮮な魚がおいしい、といった素材の味の違いはわからなくなります。
 
食事のバランスなんて、どうでもよいということになってしまうのです。

マヨネーズの味で、お腹が満たされればそれで満足。体にいいかどうかは関係ない。

そんな食生活が体にいいわけがありません。

こうした食の欧米化、いや、ファストフード化が、現代の日本人の体を、実年齢以上に老けさせているのです。

2015年11月13日金曜日

日本人の体に適した燃料はお米です

ご自分の食生活を振り返ってみてください。
 
あなたは、エネルギーとなる燃料を何から取っていますか?

日本人にとって主たる燃料はなんでしょう。
 
答えは、ごはんです。

パンやスパゲティ、ラーメンではないのです。
 
しかし、近年、日本人は本当に米を食べなくなってしまいました。

日本人ひとりあたりの米の年間消費量は、1965年度(昭和40年)には111.7キログラムでしたが、2011年度(平成23年)には、57.8キログラムと、ほぽ半分にまで減少しているのです。

1日に換算すると、158グラムで、ごはん茶碗に1杯強といったところです。

これは子どもからお年寄りまでの平均なので、1日に1杯もごはんを食べない人もいるということです。

日本人が、主食であるはずのごはんを、
ここまで食べなくなってしまった原因は、戦後の食の欧米化にあります。

しかも、それは自然に起こったことではなく、政府主導の欧米化政策だったのですから、歯止が利かないのも無理はありません。
 
まず、日本人にはたんぱく質が足りないから、

・肉をたくさん食べましょうという運動が起こり、
・次に小麦粉を食べようという運動が起こり、学校給食などはすべてパンになりました。

そして、栄養素をバランスよく食べましょうということで、1958年(昭和33年)、厚生省(現厚生労働省)によって、6つの基礎食品というものが晋及させられたのです。
 
その中で、米は5群の糖質にあたりますが、糖質ばかりでなく、6つの基礎食品をまんべんなく食べるためにも、ごはんを減らそう、ということになったのです。
   
たしかに、6つの食品をまんべんなく食べた上で、ごはんをたくさん食べれば過食になるでしょう。
   
しかし、そもそも、それぞれの食品に含まれるI栄養素だけを、とって、バランスよく栄養素を取りましょうという発想そのものが間違いなのです。
   
ごはんを、糖質の塊のように思りている人もいるかもしれませんが、大きな勘違いです。
   
ごはんには糟質がたくさん含まれますが、糖質のほかにも、少量のたんぱく質や脂質、そしてビタミンB群や、カルシウム、鉄、マグネシウムや亜鉛などのミネラル類、さらに食物繊維も含まれています。
   
これが玄米になると、糖質、たんぱく質、脂質はそのままで、ビタミンやミネラル、食物繊維の倍になります。

古来より日本人は、ごはんをたくさん食べて、それで足りない栄養素を野菜や魚介類で補ってきました。

ごはんを食べるために、おかずがあるというくらい、ごはんが中心だったのです。
 
栄養素のバランスという意味でも、それで十分とれていたということです。

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●出典:幕内秀夫「粗食で10歳若返る」 など

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2015年11月8日日曜日

ニッポンの粗食を見直すー10。もち


ごはんの次に主食に適した食品、それは「もち」です。

野菜や魚と合わせたもち料理は、お楽しみのメニューになるでしょう。

炭水化物を多量に含む食品が数ある中で「主食」の座に君臨し続けるごはん。


成分以外の面で思い浮かぶごはんの優れた点は、

そのままでおいしく食べられる
野菜や魚介類と相性か良い
昔から食べ継がれてきた
毎日食べても飽きない

など。

これらを「主食の条件」とするなら、ごはんに次いで主食に適しているのは、「もち」なのです。

もちは特に野菜や魚介類との相性が良く、この点では麺類よりはるかに上です。


雑煮のように煮込むなら、どんな食材を一緒に入れても無理がありません。

腹持ちの良さという点では、ごはんにも勝ります。
 
もち料理をおいしくするコツは、一部分でもいいから、もちにこんがりとしたキツネ色の焼き目をつけること。

この「キツネ色」が、独特の風味をプラスし、もちの甘みも引き出します。

もち米の玄米で作る玄米もちも、おいしくてお薦めです。

玄米のごはんが苦手な人にも大好評です。



ところで、もちを買うときに注意すべき点が一つあります。

それは、100%もち米で作られた「本物のもち」を選ぶこです。


実は市販品の中には、「もちのような物」があるのです。

そのもちとは、原料にコーンスターチを加えたものです。

やたらと伸び、煮込むと溶けてしまう代物です。

コーンスターチの原料となるのは主に輸入トウモロコシです。

周知のとおり、遺伝子組み換え種が混ざっていないとは言い切れないのです。

瑞穂の国で、もち選びに気を使うのも妙な話ですが、気にとめておく必要はありそうです。

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●出典:幕内秀夫「ニッポンの粗食 ごはんの基本レシピ」より

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2015年11月3日火曜日

ニッポンの粗食を見直すー9。麺

はのど越ごし良く食ぺやすいもうひとつの主食です。

食欲が落ち、ごはんが重いと感じたら、薬味と一緒に麺を流し込んでおきましょう。

これでエネルギー源をしっかり補充できます。


讃岐うどん、きしめん、ほうとう、わんこそば……。日本の各地に名物の麺類があります。

米不足を補う目的で麦やそばを栽培し、ごほんの代わりにうどんやそばを食べていた時代の名残です。

麺類もごはんと同じ炭水化物です。

ですから、麺を主食にもってくる考えは理にかなっています。

昔の人はそうせざるをえなかったわけですか、このアイディアは、現代の食生活にも十分です。


例えば夏バテ気味のときや体調がすぐれないとき、ものを食べるのかおっくうになることがあります。

「かむ」という行為は、意外に面倒で疲れる運動なのです。
 
そんな食欲のないときは、そうめんや冷や麦などをとにかく流し込んでおきます。

細い面なら、ほとんどかまなくてもツルッとのどを通ります。

荒っぼいようですが、バテないためのエネルギー補給には、これが一番です。


一方、寒い季節には、太くてこしのある麺が向いています。

歯応えのある麺をよくかんでいると、体も温まってきます。
 
面白いことに、日本各地の麺類の太さは、南の地方ほど細く、北へ行くほど太い傾向があります。

暑い南の地方では、なるべくかまなくていいように、寒い北の地方では、しっかりかめるように、ということなのでしょう。

麺の太さも風土によって決まるのです。
 
さて、主役が麺に決まったら、薬味の用意をお忘れなく。

薬味は、そっけなくなりかちな麺に複雑な味わいをプラスし、食欲を促してくれる、麺にとっての名脇役なのですから。


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●出典:幕内秀夫「ニッポンの粗食 ごはんの基本レシピ」より

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2015年10月29日木曜日

ニッポンの粗食を見直すー8。漬物 

漬物は、ごはんと一緒に野菜をおいしく、そして賢く食べる最善の方法です。

塩が素材に効果的に働きかけ、野菜にうま味と栄養価をプラスします。


漬物は味噌汁と同じく、ごはんをおいしく食べさせてくれる名脇役です。

数時間で作る浅漬け、数日でできる糠漬け、何年も漬け込む奈良漬まで、漬け物の範囲は実に幅広いものです。

そして何にせよ、あらゆる漬物作りに不可欠なのが「塩」です。


塩には腐敗菌を抑えて、発酵を促す働きがあります。

また、脱水作用により、素材に含まれる水分を追い出して軟らかくしたり、酵素の働きを活性化させてうまみ成分を作り、アクをなくしてくれます。

生では食べにくい素材でも、漬物にすればおいしくなるのはこのためです。


漬物にはさらに、これも脱水作用によるものですが外からの味や成分が素材に浸透しやすくなるというメリットもあります。

この性質を生かし、魅力を存分に発揮するのが、糠の成分が染み込んだ「糠潰け」です。

微量栄養素もさることながら、糠は乳酸菌の宝庫でもあります。

なにしろ、たった1gの糠に1億個の乳酸菌か存在するといわれるほどなのです。

乳酸菌には、腸内の陽性度を高め、腐敗菌を抑える整腸効果があります。

腸内で乳酸菌を繁殖させるには、乳酸菌の好物である食物繊細を糠と一緒に摂取するのが効率的です。

従って、野菜の糠漬けは理想的な食品といえるのです。

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●出典:幕内秀夫「ニッポンの粗食 ごはんの基本レシピ」より

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2015年10月22日木曜日

消化・吸収の通路を増やすために

サプリメントに比べ、食べ物のほうが複雑な構造をしています。

複雑に組み立てられているので、バラバラにするときもたくさんの工程を経なければなりません。
 
栄養素がバラバラになっていく過程で、この栄養素はこっち、あの栄養素はあっちというように正しい通り道がわかっていれば、それぞれの栄養素が行くべき場所にたどり着き、その役割を果たすことができます。
 
しかし、通り道がわかっていないと、行き先にたどり善くことができず、役目も果たせないまま、排出されてしまいます。


つまり、好き嫌いなくいろいろな食べ物をとるということは、複雑なブロックをバラバラにする過程をたくさん身につけ、栄養素が通る道を開拓し、整備しているようなものということが出来ます


小学校では、さまざまな科目を勉強します。

どうしてあれほどたくさんの科目をやるのかというと、脳幹に渡す橋を増やすためということです。
 
たとえば、2×2が4であることに思い至るには、脳幹の橋をひとつ渡らなければなりません。

私たちは、さまざまなことを考えるとき、脳幹に渡してある橋をいくつも通ることによって、正しい答えを導き出しているというわけです。

また、脳幹に架かっている橋の本数が多く、通っている回数が多いと、答えを出すスピードが速くなるのです。
 
いろいろなものを食べるというのは、脳幹の橋を造るのと同じことだと思います。

いろいろなものを食べていくことで、どうやって使い、どう機能するのかということを覚えていくのだと思います。
 
決して、豪華絢爛な食事をしろという意味ではありません。

お芋の煮っころがしや小松菜のお浸しなど、普通のものでいいのです。

特定の食材に偏ることなく、バラエティ豊かにいろいろ食べていくことで、栄養素が吸収される通り道ができていくのです。
 
サプリメントほとりたい栄養素がピンポイントでとれる便利なものですが、サプリメントを効率よくとるためにも、バランスのとれた食事をすることが大切なのです。
 


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2015年10月17日土曜日

酵素を生かす食べ方のポイント

まず、ひとつ目は生の野菜と果物中心の食事に切り替えることです。

それらはたくさんの酵素、良質のビタミンやミネラル、ファイトケミカル、食物繊維、水分などを含んでいます。
 
ただ、野菜の中には、加熱調理することで栄養価が下がったり、消化しやすくなるものもあります。


たとえばにんじん。生で食べるより加熱し、さらに油と一緒に食べることで栄養は吸収されやすくなります。


また、野菜は煮ると、噛んで食べただけでは壊れない細胞膜が破壊され、栄養成分の吸収がよくなるという側面もあります。

量もしっかりとれ、食物繊維もその分、たっぷり摂収できます。

そこでオススメなのは、生野菜と加熱野菜のいいとこ取りです。

1日の野菜摂取量は400~500g以上を目標に、生野菜を半分以上、残りを加熱した野菜で、と意識してみてください。


 
そしてもう1つ。
いくら体にいいとはいえ、毎日、生野菜や果物だけでは、限界があるでしょう。
そこで少量なら動物性たんぱく質もOKと考え、

・肉を食べる日は魚を食べず、魚を食べる日は肉を食べない
・1週間で食べる目安は、肉は100~200g、魚は200~300g、卵は3~4個
 
ということを心がけましょう。

なお、牛の肉や魚には生きた酵素が存在します。

良質の生肉や刺身は加熱したものより、ずっと消化しやすいのです。
 
とはいえ、食べないですむなら、それに越したことはありません。

食べすぎては、元の木阿弥なのです。体内の消化酵素の使いすぎになるので、注意しましょう。
 

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2015年10月12日月曜日

専用のエネルギーで動く筋肉

筋肉中には、ブドウ糖とブドウ糖がいくつも枝分かれをして結びついた、グリコーゲンと呼ばれる貯蔵型の糖が多く存在しています。

糖が血液中と肝臓に蓄えられていることはよく知られていますが、体の中で糖をいちばん多く蓄えているのは筋肉中です。
 
私たちは、主にブドウ糖を中心としたエネルギー源を燃やすことで、生命を維持し活動をしています。

筋肉もまた、エネルギー源を燃やすことで動いているわけですが、筋肉は、その部分に蓄えられたグリコーゲンでしか動かすことができません。

たとえば腹筋運動を何十回か行った場合、もうこれ以上続けることはできないと思っても、背筋運動であれば、一息ついた後からなんなく始めることができます。
 
もしも、体中の筋肉に蓄えられているグリコーゲンをすべて腹筋のエネルギーとして使うことができたとしたら、全身が動かなくなるまで腹筋運動を続けることができるはずです。

そして、腹筋運動にすべてのエネルギーを使うことができたら、もうこれ以上は続けられないと思った時点で、他の筋肉も動かすことができなくなるはずです。
 
繰り返しになりますが、筋肉がエネルギー源にできるのは、その筋肉に貯蔵してあるグリコーゲンです。

そのため、特定の筋肉だけをずっと動かし続けることは不可能なのです。
 
一方、特定の部位を集中的に使う人は、その部分が発達しています。

筋肉が発達するということは、エネルギーの貯蔵タンクが大きくなるということであり、大きくなったタンクには、以前よりも多くのグリコーゲンが蓄えられることになります。

よって筋肉中に蓄えられるグリコーゲンの量が増えれば、増えた分だけ、その筋肉を動かせるようになります。
 
つまり、筋肉は、使うことでタンクを大きくし、タンクを大きくすることでより多くのグリコーゲンを蓄えるというように、バンプアップを繰り返すことによって発達しているのです。


適切なウェイト・トレーニングをしていれば、

「使う→壊す→治る→エネルギータンクが大きくなる」

というサイクルによって、自分のイメージ通りに筋肉を発達させることができるわけです。

 
逆に、動かすことのない筋肉というのは、エネルギーを蓄えておく必要がありません。

エネルギーが少なければ、たまにその筋肉を動かしたとしても、短時間しか動かすことができなくなります。

タンクを大きくしていくときと逆の流れ、負のスパイラルに陥るわけです。

好ましい例ではありませんが、最近、筋力のない子供が多いように思います。

正しい姿勢で立っていることができず、すぐにしゃがみ込んでしまったり、立ち居振る舞いも美しくありません。

筋力のメカニズムを知ることで、負に陥っているスパイラルに歯止めをかけ、適切な筋力を維持できるようになってきます。

2015年10月10日土曜日

ご飯(米)は太るのか?


ごはんに関する俗説に「ごはんは太る」というものがあります。


総理府の

『食生活・農村の役割に関する世論調査(昭和62年)』

を見ると、昭和53年には29.6%、最近は減ったとはいえ、
18.4%(昭和62年)もの人が「ごはんは太る」と考えているのです。

 
ところが、これとは逆に深刻な肥満、心臓病大国アメリカなどでは、

ご飯を食べて肥満を解消しようとする動きが出てきているのです。


それは、1982年にアメリカの農務省および厚生省の出した
『栄養とあなたの健康--アメリカ人のための食事指針』の影響が少なくないように思われます。


この指針の要点7項目は次の通りです。

①バラエティに富んだ食品をとろう
②望ましい体重を維持しよう
③脂肪、飽和脂肋、コレステロールをとり過ぎないようにしよう
④デンプンと食物繊維をしっかりとろう
⑤糖分をとり過ぎないようにしよう
⑥ナトリウムをとり過ぎないようにしよう
⑦アルコールを飲むなら、ほどほどに飲もう
 
つまり、
「肉類や砂糖類を減らし、もう少しデンプン質の食品を食べて体重を維持しよう」
といっているわけです。

しかも日本人には極端な肥満や心臓病が少ないということもあって、米を見直すアメリカ人が増えているといいます。

テレビの料理番組でも米を使った料理が増え、スーパーマーケットなどでも米を置くところが増えています。
 
現在でもまだ、肥満を防ぐには「ご飯を減らそう」などという日本とは、まさに逆の動きがでているわけです。
 
なぜ、両極端の考え方があるのか。

お国の事情、民族差などもあるかも知れませんが、もっと大切なことは、
米(こめ)には肥満をもたらす因子も、肥満を予防する因子もないということなのです。

それは、米だけではなく、ダイエット食品として人気のあるさまざまな食品にも同じことがいえます。
 
そもそも太るということは、だれでも分かるように、食べる量(摂取エネルギー)が、運動量(消費エネルギー)を上回るために起こることなのです。

つまり、問題の一つに現在の社会生活(仕事など)があまりにも機械化され、自動車社会になり、あるいは頭脳労働か増え、極端に体を使うことが減っていることがあげられます。

そして、「孤独な豚は太れない」、あるいは「さびしい女は太る」という言葉があるように、都会の孤独、人間関係の疎外感というのだろうか、精神的充足感を食べることで解決しようとする面もあります。


つまり、食べ過ぎれば太ることはわかっているのに食べてしまう、その原因が生活そのものにあるということなのです。

 
例えば、人にとって一日に必要なエネルギーを100とします。

効率のよい食べ方をすれば100、十分だが、効率が悪ければ100食べても体内では30か40しか利用されないのです。

つまり、60から70は不足しているわけです。

そうなると生命を維持するために、自分では意識しなくても、ついつい何かを食べることによって補おうとすることになってしまうのです。
 
それは健全な生理作用であって、何ら不思議なことではありません。

効率のよい食べ方をするために大切なのが、まさに、ご飯を中心とした日本人の体質に合った食生活であり、微量栄養素(ビタミン、ミネラル類)をきちんととることなのです。
 
つまり、私たち日本人の体を石炭ストーブに例えるならば、石炭を入れるのが当然であり、石油やガス(肉、乳製品、油など)を入れても、うまく燃えるはずがないのです。

それどころか危険でさえあります。

そして、いくら石炭を入れても酸素(微量栄養素=ビタミン、ミネラル類)を入れなければ、
やはり燃えるはずがないのです。

これではいくら経っても暖まらないので、また石炭を入れることになる。

それが慢性的な過食の原因だといえるのです。

このように、肥満という問題は、たしかに食生活が大きな比重を占めていると思われます。

食生活を変えることによってスマートになる人もいるし、運動をすることによってうまくいく人もいるでしょう。
 
しかし、わかってはいても物理的にも精神的にも実行するのが難しいのが、現代社会ではないでしょうか。

まさに、生活全体の問題であるという点に難しさがあるわけです。
 
そのように考えてみれば、たった一つの食物、「米」は太るとかやせるなどという問題ではないことが分かるでしょう。
 
実際には、「粗食」の主役であるご飯をきちんと食べることによって太るということはほとんどないのです。

むしろ、きちんと食べることによって、スマートになる場合がほとんどなのです。

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●出典:幕内秀夫「粗食のすすめより

関連参照
和食・粗食を考える
中高年からの筋肉作り  
転ばぬように、歩き続ける方法
つまらんことでしょうか

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