食欲が落ち、ごはんが重いと感じたら、薬味と一緒に麺を流し込んでおきましょう。
これでエネルギー源をしっかり補充できます。
讃岐うどん、きしめん、ほうとう、わんこそば……。日本の各地に名物の麺類があります。
米不足を補う目的で麦やそばを栽培し、ごほんの代わりにうどんやそばを食べていた時代の名残です。
麺類もごはんと同じ炭水化物です。
ですから、麺を主食にもってくる考えは理にかなっています。
昔の人はそうせざるをえなかったわけですか、このアイディアは、現代の食生活にも十分です。
例えば夏バテ気味のときや体調がすぐれないとき、ものを食べるのかおっくうになることがあります。
「かむ」という行為は、意外に面倒で疲れる運動なのです。
そんな食欲のないときは、そうめんや冷や麦などをとにかく流し込んでおきます。
細い面なら、ほとんどかまなくてもツルッとのどを通ります。
荒っぼいようですが、バテないためのエネルギー補給には、これが一番です。
一方、寒い季節には、太くてこしのある麺が向いています。
歯応えのある麺をよくかんでいると、体も温まってきます。
面白いことに、日本各地の麺類の太さは、南の地方ほど細く、北へ行くほど太い傾向があります。
暑い南の地方では、なるべくかまなくていいように、寒い北の地方では、しっかりかめるように、ということなのでしょう。
麺の太さも風土によって決まるのです。
さて、主役が麺に決まったら、薬味の用意をお忘れなく。
薬味は、そっけなくなりかちな麺に複雑な味わいをプラスし、食欲を促してくれる、麺にとっての名脇役なのですから。
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●出典:幕内秀夫「ニッポンの粗食 ごはんの基本レシピ」より
関連参照:
和食の知識
中高年からの筋肉作り
転ばぬように、歩き続ける方法
つまらんことでしょうか
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