2015年11月3日火曜日

ニッポンの粗食を見直すー9。麺

はのど越ごし良く食ぺやすいもうひとつの主食です。

食欲が落ち、ごはんが重いと感じたら、薬味と一緒に麺を流し込んでおきましょう。

これでエネルギー源をしっかり補充できます。


讃岐うどん、きしめん、ほうとう、わんこそば……。日本の各地に名物の麺類があります。

米不足を補う目的で麦やそばを栽培し、ごほんの代わりにうどんやそばを食べていた時代の名残です。

麺類もごはんと同じ炭水化物です。

ですから、麺を主食にもってくる考えは理にかなっています。

昔の人はそうせざるをえなかったわけですか、このアイディアは、現代の食生活にも十分です。


例えば夏バテ気味のときや体調がすぐれないとき、ものを食べるのかおっくうになることがあります。

「かむ」という行為は、意外に面倒で疲れる運動なのです。
 
そんな食欲のないときは、そうめんや冷や麦などをとにかく流し込んでおきます。

細い面なら、ほとんどかまなくてもツルッとのどを通ります。

荒っぼいようですが、バテないためのエネルギー補給には、これが一番です。


一方、寒い季節には、太くてこしのある麺が向いています。

歯応えのある麺をよくかんでいると、体も温まってきます。
 
面白いことに、日本各地の麺類の太さは、南の地方ほど細く、北へ行くほど太い傾向があります。

暑い南の地方では、なるべくかまなくていいように、寒い北の地方では、しっかりかめるように、ということなのでしょう。

麺の太さも風土によって決まるのです。
 
さて、主役が麺に決まったら、薬味の用意をお忘れなく。

薬味は、そっけなくなりかちな麺に複雑な味わいをプラスし、食欲を促してくれる、麺にとっての名脇役なのですから。


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●出典:幕内秀夫「ニッポンの粗食 ごはんの基本レシピ」より

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