2015年12月8日火曜日

コレステロールを善玉・悪玉に分けることの危険性

コレステロールは、肝臓でリポタンパクというタンパク質に包まれています。

宅配便のパッケージみたいなもので、梱包された状態で血液の中を流れて、必要なところに届けられます。
 
このリポタンパクというパッケージには、いくつか種類があります。

その中でもしばしば問題にされるのが、

俗に
「善玉コレステロール」と呼ばれるHDLと、
「悪玉コレステロール」と呼ばれるLDLです。

つまり、この「善玉」と「悪玉」は正確にいえばコレステロールそのものの種類ではなく、コレステロールを梱包したパッケージのことなのです。

この時点ですでに、コレステロールに関する一般の情報には不正確な部分があるのです。
 
・LDLが肝臓から発送されてコレステロールを必要とする組織へ運ぷのに対し、
・HDLはたとえば、血管壁などで余ったコレステロールがあると、それを元の肝臓へ持って帰る役割を担っています。

往路のLDLにはコレステロールが多いが、復路のHDLには少なく、代わりにレシチンが多いのです。

HDLは回収したコレステロールをLDLに戻すこともやってのけます。
 
そもそも血中コレステロールを目の敵にするのは、動脈硬化や心臓病などの促進因子という考え方からですが、LDLに対してHDLの割合が多ければ問題は生じません。

それがHDLを善玉と呼ぶ所以なのだが、LDLもHDLも、それぞれに任務を果たすために存在していることを忘れてはなりません。

必要とされるからこそ、わざわざ梱包して、ていねいに運んでいるのです。


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