筋肉ほど、私たちの健康に占める重要性の認識が近年変わった臓器もありませんし、健康寿命を伸ばすカギともなっているのです。
また、ガンや免疫力との関係も取り沙汰され、テレビ体操から流行語まで生まれています。
その注目の理由なんでしょうか?
「以前は筋肉なんて転倒時の防御に役立つ、といった程度の位置付けだった。
でも今は違います。それは一つには我々の寿命が延びたからです」。
「以前は筋肉なんて転倒時の防御に役立つ、といった程度の位置付けだった。
でも今は違います。それは一つには我々の寿命が延びたからです」。
筑波大学の久野譜也教授は言う。
100歳以上の人口は、今や7万人に迫る勢いなのです。
70歳の女性の平均余命を換算すると90歳を超え(2017年)、人生100年時代が現実味を帯びてきています。
ところが筋肉は何もしないと、特に全筋肉量の約40%を占める下肢で、40代から年約1%減り続け、70代半ばには、20歳前後と比べ3割近くも下がってしまうのです。
筋肉は基礎代謝も高いため、筋肉が減少する分、太りやすい体になる、ということでもあります。
まして、80代、90代では筋肉量の低下が一層加速します。これでは体重はうまく支えられない。
「筋肉は、立ち座りや歩行速度など、移動能力の維持に直結する。
移動が自分でできなくなると、生活が制限され、人生の質が変わつてしまう」
と久野教授。
リタイア後の20~30年を、どれだけ活動的で生きがいのある人生にできるかは、
移動能力を支える筋肉の維持にかかってくるのです。
不思議な臓器
吉報があります。
筋肉はどんな年齢になっても鍛えて増やすことができる、一種不思議な臓器だというのです。
適切な負荷で運動をすると、90歳代でも筋力は、12週間で174%増えたという研究結果が豪州で出ています。
加齢で筋肉量が減るのは、細胞の数が減るからです。ところがこの研究では、筋断面積が9%も増えたのです。
ですから、やるのに遅すぎるということはないんです。
実際、現在82歳で、50代の時より質の良い大腿筋をもっているという大学教授もいる。
そうはいっても。
実際、現在82歳で、50代の時より質の良い大腿筋をもっているという大学教授もいる。
そうはいっても。
膝や腰が痛いんだし、運動とりわけ筋トレなんて、という方のために、
地域の一般の人々の取り組みをのぞいてみた。
70~80代の女性が集う「パワーアップクラブ」(東京都中野区)。
会費を出し合い、筋力などを高める体操を10年近く続けている。
歯磨きをしながら腰を落とすスクワットを指導していた古賀邦子先生(69)は、
「生活習慣の中に組み込めば長続きする。痛む部位に負荷をかけない工夫はいくらでもできます」
参加した小酒井寿美子さん(86)は、
「動作が楽になり、気持ちも変わる。
逆にやらないと、体が固まり動けなくなる。生きているなら、元気でいたいじゃないですか」。
というわけで自宅でも運動は欠かさないという。
超高齢時代のアンチエイジングなのだ。
70~80代の女性が集う「パワーアップクラブ」(東京都中野区)。
会費を出し合い、筋力などを高める体操を10年近く続けている。
歯磨きをしながら腰を落とすスクワットを指導していた古賀邦子先生(69)は、
「生活習慣の中に組み込めば長続きする。痛む部位に負荷をかけない工夫はいくらでもできます」
参加した小酒井寿美子さん(86)は、
「動作が楽になり、気持ちも変わる。
逆にやらないと、体が固まり動けなくなる。生きているなら、元気でいたいじゃないですか」。
というわけで自宅でも運動は欠かさないという。
超高齢時代のアンチエイジングなのだ。
「筋肉のように、やれば効果が見込め、違いが出る部分に力を入れるのは賢い方法。それは私たちの老いとの向き合い方を変え、今後の日本社会の、活気も左右するかもしれません」
と久野教授。
オーバーでなく、日本の行く末もかかった筋トレ。
さあ、あなたはどうしますか。
関連参照:
転倒は恐い!
中高年からの筋肉作り
だから、歩くのがいい
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