2016年9月3日土曜日

iPS細胞を臍帯血からつくる

京都大・IPS細胞研究所(山中仲弥所長)が、

再生医療に利用する備蓄用の人工多能性臍帯血を利用した

幹細胞(IPS細胞)を新生児の臍帯血を使用して作った
ことが8月17日、分かった。

成人の血液から作った場合より
遺伝子変異が少なく、品質が良いという。

7月に完成させており、研究機関などへの提供態勢が近く整う見込みだ。

IPS細胞をさまざまな組織などに変化させて移植する再生医療の実用化を促進させそうだ。

IPS細胞を利用する際、患者自身の細胞から作ったIPS細胞を組織や細胞に変化させて移植すれば拒絶反応は起きないとされるが、時間や費用がかかる。

同研究所は、拒絶反応が起きにくいIPS細胞を作って備蓄し、広く迅速に提供する「IPS細胞ストック」を構築しており、今回作製したIPS細胞もその一環である。

白血病治療などのため設置されている臍帯血バンクを活用できる利点がある。
 
臍帯血は新生児のへその緒に含まれる血液で、

・ストレスを受けた成人の血液細胞に比べて遺伝子の変異が少ない
・IPS細胞を作る際の効率も良いという。

今回使ったのは東海大病院(神奈川県)で保管されていた臍帯血。

提供者とその家族の同意を得て作製し、品質などをチェックし完成させた。
 
理化学研究所の高橋政代氏らのチームは14年9月、患者自身の細胞から作ったIPS細胞を使って作製した網膜細胞を患者本人に移植する世界初の手術を行っている。

確実に実用化、一般化に向けて進んでいることがわかる。


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