女性に多い骨粗鬆症とは、骨密度が若年の平均骨密度の70パーセント以下になった状態です。
女性の場合、骨粗鬆症は60~70歳代によく発症しています。
骨粗鬆症では、ちょっとした転倒で骨折などを起こしてしまうので、寝たきりの原因となることが珍しくありません。
骨の強さは、若いころ、骨量を増やすために、骨を硬くしている成分であるカルシウムを、どれだけ貯蓄したかに関係します。
貯金にたとえると、預金残高が多ければ多いほど、老後も心配かいらない、安心だというわけです。
女性は50歳前後で閉経します。閉経すると、骨密度は低くなります。
つまり、それまで蓄えていたカルシウム貯金が減る一方になります。
ですから、とくに女性は、閉経まではカルシウムをいかに多く蓄えるかを考えた食生活をしなければなりません。
カルシウムは1日650ミリグラム以上とることが推奨されていますが、牛乳だとコップ約3杯分にあたります。
ふだんからそれほどとっていないという人はリスクが高いので、今からでもカルシウム摂取を心かけてください。
一般的にいって、出産・授乳期はとくにカルシウムが失われやすいのです。
乳製品、それとちりめんじゃこなどの小魚類を十分にとって、カルシウムを蓄えておくことが大りです。
カルシウムというと、だれしも真っ先に小魚類を思い浮かべるでしょうが、じつは乳製品に含まれるカルシウムのほうが吸収率はよいとされています。
しかし、小魚類は豊富なミネラルを含んでいるので、乳製品、小魚類の両方を十分にとって、カルシウムを蓄えておくことが大切です。
そして女性では、閉経と同時に骨量の減少が始まりますから、カルシウムを減らさないように努めるべきです。
閉経して女性ホルモンのバランスが崩れると、骨が造られにくくなります。
更年期障害は、閉経期前後の女性にみられるホルモンのアンバランス(2つある女性ホルモンのうち、とくに女性らしさをつくるエストロゲンの減少が問題)による自律神経失調症の症状です。
エストロゲンは、カルシウムの形成や吸収の調節などの機能を持っています。
ですから、エストロゲンの減少は骨量の減少となって現れてきます。
乱れたホルモンバランスを整えるためには、エストロゲンの働きを高める大豆イソフラボンが有効です。
大豆イソフラボンは、納豆、豆腐、豆乳、黄粉などの大豆製品に豊富に含まれています。
これらはつとめて毎日摂取してください。
食生活の改善でも更年期の症状かよくならない場合には、たとえば、女性ホルモン製剤であるエストロゲンや、エストロゲンとプロゲステロンの複合製剤をホルモン補充療法(HRT)として用います。
骨にカルシウムを取り込みやすくするには、ホルモン補充療法(HRT)を受けてもよいでしょうが、これにはリスクもありますから、専門医とよく相談してからにしましょう。
更年期障害は、これまで女性特有の病気と考えられてきましたが、近年では、40~50歳代の男性にも起こることがわかってきました。
アンチエイジングの観点からは、男性ホルモンの合成に関ケするビタミンEやナイアシンの摂取、
バランスのよい食事で各種の栄養素を補給することが大切です。
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