ゴマの成分の中で、もっとも多いのは脂質です。
ゴマ100グラムの中に、ほぼ52グラムも含まれているのです。
つまり、半分以上は脂質が占めているのです。
脂質には、飽和脂肪酸と不飽和脂肋酸がありますが、ゴマの場合は、そのほとんどがリノール酸やオレイン酸などの不飽和脂肪酸です。
飽和脂肪酸は、牛肉や豚肉などの肉類、チーズやバターといった乳製品に多く合まれていて、とり過ぎると血液中のコレステロールを高め、高血圧や動脈硬化といった生活習價病にかかる危険性が高くなります。
ところが、ゴマに多いリノール酸などの不飽和脂肪酸は、逆にコレステロール値を下げる働きをしているのです。
なので、ゴマを常食していると、不飽和脂肪酸やビタミンE、黒い色素のアントシアニン、さらには、ゴマ特有の微量成分であるセサミンなどの協同作用によって、血管はしなやかに健康になり、体細胞の老化を遅らせることが可能となり、生活習慣病の予防にも役立つことになるというわけです。
リノール酸は、人間の体内では合成することができないために、食べ物からとらなければならない必須脂肪酸のひとつです。
問題は、リノール酸は酸化されやすい性質があり、とり過ぎはよくないことが分かっています。
ただ、ゴマには酸化しにくいオレイン酸や抗酸化力の強いビタミンEなどが含まれているため、そのぶん酸化が防げるのです。
オレイン酸は、オリープオイルに多く含まれている不飽和脂肋酸として知られていますが、酸化されにくい成分で、加熱調理にも安心して使えます。
動脈硬化や狭心症の予防作用で脚光を浴びているのです。
胡麻をフライパンなどで炒ると、香ばしい匂いがして、食欲が湧いてきますが、熱を加えることによって、抗酸化物質の生成が多くもなります。
デパートやスーパーの食品売り場には、炒りゴマやすリゴマも売られていますが、生のゴマ(洗いゴマのこと)を買ってきて、自分で炒るのがいちばんです。
ちょっと熱したフライパンに生のゴマを入れ、火にかけてパチパチとはぜる音がしたら下ろします。
余熱で、ちょっとあたためてでき上がりです。
使用する時には、すったほうが消化がよく、有効成分も丸ごと取りこめます。切りゴマにしてもいいし、指でひねるひねりゴマは、香りがよく出るから、汁物の吸いロや薬味にするとよいでしょう。
もちろん、そのままご飯にかけてもうまい。
目安としては、一日に大匙一杯(10グラム前後)ぐらいがよいでしょう。
関連参照:
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