2016年5月28日土曜日

一日に大さじ一杯の黒ゴマを


ゴマの成分の中で、もっとも多いのは脂質です。

ゴマ100グラムの中に、ほぼ52グラムも含まれているのです。

つまり、半分以上は脂質が占めているのです。

脂質には、飽和脂肪酸と不飽和脂肋酸がありますが、ゴマの場合は、そのほとんどがリノール酸オレイン酸などの不飽和脂肪酸です。
 
飽和脂肪酸は、牛肉や豚肉などの肉類、チーズやバターといった乳製品に多く合まれていて、とり過ぎると血液中のコレステロールを高め、高血圧や動脈硬化といった生活習價病にかかる危険性が高くなります。

ところが、ゴマに多いリノール酸などの不飽和脂肪酸は、逆にコレステロール値を下げる働きをしているのです。

なので、ゴマを常食していると、不飽和脂肪酸やビタミンE、黒い色素のアントシアニン、さらには、ゴマ特有の微量成分であるセサミンなどの協同作用によって、血管はしなやかに健康になり、体細胞の老化を遅らせることが可能となり、生活習慣病の予防にも役立つことになるというわけです。
 
リノール酸は、人間の体内では合成することができないために、食べ物からとらなければならない必須脂肪酸のひとつです。

問題は、リノール酸は酸化されやすい性質があり、とり過ぎはよくないことが分かっています。
 
ただ、ゴマには酸化しにくいオレイン酸や抗酸化力の強いビタミンEなどが含まれているため、そのぶん酸化が防げるのです。

オレイン酸は、オリープオイルに多く含まれている不飽和脂肋酸として知られていますが、酸化されにくい成分で、加熱調理にも安心して使えます。

動脈硬化や狭心症の予防作用で脚光を浴びているのです。

胡麻をフライパンなどで炒ると、香ばしい匂いがして、食欲が湧いてきますが、熱を加えることによって、抗酸化物質の生成が多くもなります。

デパートやスーパーの食品売り場には、炒りゴマやすリゴマも売られていますが、生のゴマ(洗いゴマのこと)を買ってきて、自分で炒るのがいちばんです。

ちょっと熱したフライパンに生のゴマを入れ、火にかけてパチパチとはぜる音がしたら下ろします。
余熱で、ちょっとあたためてでき上がりです。
 
使用する時には、すったほうが消化がよく、有効成分も丸ごと取りこめます。切りゴマにしてもいいし、指でひねるひねりゴマは、香りがよく出るから、汁物の吸いロや薬味にするとよいでしょう。

もちろん、そのままご飯にかけてもうまい。

目安としては、一日に大匙一杯(10グラム前後)ぐらいがよいでしょう。


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2016年5月25日水曜日

トウガラシの話ー2

トウガラシの仲間にパプリカやピーマンがあります。

辛さを生かした香辛料ではなく、野菜としての栄養価が利用されています。

パプリカはハンガリーで生まれました。農民が冬場に食べたら健康で病気もしないと気付き、たくさん食べられるように「辛味のないトウガラシーパプリカ」を作りだしたのではないかと考えられています。

実は、ハンガリーには辛いパプリカもあり、もともと辛かったトウガラシから、辛味の少ないものが選択され、パプリカとして栽培されるようになったのでしょう。
 
北米のピーマン、日本の満願寺唐辛子などもパプリカと同じく辛くないトウガラシです。

食べやすいように、辛くない野菜として栽培されるようになったのでしょう。
 
面白いのはブータン

ブータンでは、辛いトウガラシを野菜のように食べます。

とてつもなく辛いのですが、次第に慣れてきてしまう。

隣のインドではさまぎまな香辛料を使うのに対してブータンではトウガラシだけのようです。

鎖国時代が長く、自国内で簡単に栽培できるトウガラシが広まったようです。
 
日本では、トウガラシは重要な食材ではないにもかかわらず、不思議な親近感を持っていたようです。
江戸時代には「蕃椒 羽をはやせば 赤蜻蛉」といった句も見受けられます。
 
当初、日本では食用ではなく観賞用薬用として広まりました。

七味唐辛子で有名な東京・薬研堀という地名の由来は、薬をすりつぶす道具(薬研)の名前からきたものです。
 
トウガラシが世界的に有名になったのは、ハンガリーでのビタミンCの発見でした。

パプリカからビタミンCを分離したことで、ノーベル賞を受賞したのです。
 
ビタミンC以外にも、ビタミンAやE、Kなど重要なビタミンを多く含んでおり、強い抗酸化力が期待されています。

今後、食用だけでなく医薬品への利用も研究されていくことと思われます。



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2016年5月18日水曜日

トウガラシの話ー1

唐辛子(トウガラシ)の原産地がどこだか、ご存じでしょうか。

キムチに使われているから朝鮮半島?それともスパイスの王国インド?
 
実はトウガラシの故郷は中南米なのです。

15世紀末にコロンブスによって、西インド諸島からヨーロッパに持ち帰られ、約50年ほどで、アフリカやアジアなど世界各地にもたらされた作物なのです。
 
トウガラシは、ペルーやメキシコで紀元前8000年ころにはすでに利用されており、最も古くから栽培・利用された植物の一つと考えられています。
 
今でも利用されている野生種は、小指の先ほどの大きさの実が上向きについています。

非常に激辛なのですが、特有の味や風味があるのが特徴です。
 
赤く熟した実は、触るだけでパラパラと落ちてしまいます。

また、上向きについている赤い実は、草むらの中でも目立ちます。

ただ、その辛さから動物たちが食べることはありません。

鳥だけが好んでついぱんでいるのを目にします。

鳥によって遠隔地への散布を図っているわけです。

トウガラシの発汗作用によって涼しくすると同時に、辛味によって食欲が刺激されるため、暑い地域でよく使われます。

エスニック料理に代表されるように、アフリカや東南アジアなどです。


また、使い方には世界的に共通点があり、生のトウガラシをトマトや他の野菜などとともにすりつぶして、ソースにするケースが多いのです。

日本の七味唐辛子のように、乾燥して粉状にしたものに、さまざまなスパイスを加えて辛昧を抑える方法は、世界的にみても珍しいもののようです。



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2016年5月10日火曜日

精製食品が『長寿国日本』を壊す

現在の食生活の特徴の一つに精製食品の問題があります。

あまりにも増えすぎた精製食品によって、微量栄養素がとれなくなっているのです。
 
その一つに、米が精製されたこともあります。

少し前まで、私たちが常食していた米は、今ほど精製されていませんでした。

米は籾殻(もみがら)だけをとったものを玄米、外側のぬかを少しだけとったものを三分づき、もう少しとったものを五分づき、もっととると七分づきと呼んでいます。

数字が大きくなるほど、白くなるわけです。


地方や家庭によってちがいますが、少し前までは限りなく玄米に近いものを常食していました。

したがって、まわりについているぬかが酸化している可能性もありました。

おいしいごはんを炊くためには、そのぬかをとらなければなりません。

そのため、ごはんを炊く際、米を洗うとはいいませんでした。

米はとぐといいます。

ギュッギュツととがなければ、ぬかがきれいにとれないためです。
 
昔は、精製度がかなり低かったため、といでもかなりぬかや胚芽が残っていました。

その部分にこそ、大切なビタミンやミネラル、食物繊維などが含まれています。
 
精製度の低い米を主食にすることで、
からだに必要な栄養素のかなりの部分をまかなうことが可能だったのです。

 
また、なども現在のように精製されていませんでした。

ほとんどの塩は海水を煮詰めて乾燥させて作っていました。

当時の塩は、塩化ナトリウムを主成分として、そこにかなりのにがりが残っていました。
 
そのにがりには、カルシウム、マグネシウム、カリウム、鉄などのたくさんのミネラルか含まれていました。
 
ところが、製塩方法が変わり、現在の塩は限りなく、塩化ナトリウム100%近く純粋になっています。

塩が変わったのですから、醤油や味噌なども変わってしまったということになります。

さすがに最近は、精製されすぎた塩に疑問をもつ人が増えたことが大きいのでしょう。

精製度の低い塩が販売されるようになっています。

入手するのも難しくなくなっていますが、よい傾向だと思います。
 
いずれにしても、少し前まで、私だちが口にするものに精製された食品は極めて少なかったのです。

一見、副食も少ない「一汁一菜」に近い食生活で生きてこられたのも、精製食品が極めて少なかったからなのです。

まさに、そのような時代に生まれ、育った方々が長寿国日本を支えてきたということができます。


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2016年5月3日火曜日

納豆のすごさ 

日本の朝ごはんのおかずでユニークなのは、なんといっても納豆でしょう。

海外にいる方には懐かしいでしょう。

あんなにネバネバと糸を引く食材を食べているのは日本人だけです。

ところが最近では、納豆も国際化して世界中にファンを増やしているのです。

その背景にあるのが日本人の健康、
長寿、そして女性の若々しい年のとり方などがですが、
もちろん、その広がりには和食の人気が後押しをしています。
 
改めて納豆の魅力をあげてみましょう。

ナットウキナーゼのすばらしい血栓溶解パワー
納豆のネバネバに含まれている酵素で、血管中に発生しやすい血栓を溶解して、血流を促
す作用があり、脳梗塞や心筋梗塞、あるいは認知症の予防に期待されています。

骨を強くするビタミンK2が増えます。
納豆菌が生産するビタミンK2には、カルシウムを骨にしっかりと付着させる作用があり、骨
の強化に役に暁つと同時に、骨からカルシウムが流出するのを抑える作用でも知られています。

老化を防ぐポリアミンが多い。
納豆に含まれているポリアミンという成分が、アンチエイジング(抗老化)効果で最近注目されています。

ポリアミンは体内でも合成されますが、加齢と共に減少。
食品から摂取することにより、体内のポリアミンの量が増加することが分かっています。

納豆菌腸内のビフィズス菌を増やす。
納豆菌はたいへん生命力の強い痢で、腸内に到達してからも生き続け、ビフィズス薗など
の免疫力を強化したり、幣腸効果を高めるなどの働きをし続けます。

⑤納豆は生きた酵素のかたまり
納豆菌が作る酵素は多彩で、納豆自体が納豆菌と酵素のかたまりといっていいでしょう。
主な酵素をあげると、まずプロテアーゼ(タンパク質をアミノ酸に分解します)、アミラー
ゼ(糖質を分解してブドウ糖に変えます)、リパーゼ(脂質を脂肪分とグリセリンに分解する働き)、
セルラーゼ(食物繊維を糖に変える働きをしています)などです。

記憶力の衰えを防ぐレシチンも多い。
納豆に豊富ななレシチンは、脳の神経伝達物質の原料となり、物忘れの防止や学習能力、記憶力
などの改善に役立つことが分かっています。
ご飯にもレシチンは含まれていて納豆かけごはんは脳の若さを保つためにも効果的です。

⑦納豆のアルギニン成長ホルモンを増やす。
アルギニンはアミノ隈の一種、成長ホルモンの原料であると同時に、うつ病の改善作用でも期待されています。
幸福感を高める働きがあり、ストレスを少なくして、自信を取り戻すことができるようになるためと考えられています。

中性脂肪を減らすビタミンB2も多い。
納豆はビタミンB2の供給源としても効果的です。
体につき過ぎた脂肪の燃焼を助け、中性脂肪やコレステロールなどを減らす働きもあります。
ビタミンB2は、細胞を酸化から守る抗酸化ビタミンである点も注目されています。


血圧の安定に役立つカリウム
カリウムには体内で過剰となった塩分、つまりナトリウムの排泄をうながす働きがあり、
血圧を安定させる効果が期待されています。

⑩納豆のうま味成分は糸=ポリグルタミン酸
納豆といえばネバネバした糸。納豆のうま味の主体はこの糸で、ポリグルタミン酸という
一種のアミノ酸とフルクタンという糖質が結びついてできています。
ポリグルタミン酸は、うま昧成分として知られているグルタミン酸の結合したもので、天然のアミノ酸です。

⑪納豆はアミノ酸フード
大豆には35パーセントのタンパク質が含まれていますが、納豆にするとアミノ酸に分解されるために消化がよくなります。

アミノ酸は体の若さを保つために不可欠で、集中力や記憶力などの脳の働きを高めるうえでも重要な働きをしています。

アミノ酸をバランスよくとることは、頭脳力をクリアに保ち、ストレスに負けない強い体と心を維持するための効果があります。

ざっと挙げてみたらこんなにもあります。恐るべし納豆パワーなのである。


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