あまりにも増えすぎた精製食品によって、微量栄養素がとれなくなっているのです。
その一つに、米が精製されたこともあります。
少し前まで、私たちが常食していた米は、今ほど精製されていませんでした。
米は籾殻(もみがら)だけをとったものを玄米、外側のぬかを少しだけとったものを三分づき、もう少しとったものを五分づき、もっととると七分づきと呼んでいます。
数字が大きくなるほど、白くなるわけです。
地方や家庭によってちがいますが、少し前までは限りなく玄米に近いものを常食していました。
したがって、まわりについているぬかが酸化している可能性もありました。
おいしいごはんを炊くためには、そのぬかをとらなければなりません。
そのため、ごはんを炊く際、米を洗うとはいいませんでした。
米はとぐといいます。
ギュッギュツととがなければ、ぬかがきれいにとれないためです。
昔は、精製度がかなり低かったため、といでもかなりぬかや胚芽が残っていました。
その部分にこそ、大切なビタミンやミネラル、食物繊維などが含まれています。
精製度の低い米を主食にすることで、
からだに必要な栄養素のかなりの部分をまかなうことが可能だったのです。
また、塩なども現在のように精製されていませんでした。
ほとんどの塩は海水を煮詰めて乾燥させて作っていました。
当時の塩は、塩化ナトリウムを主成分として、そこにかなりのにがりが残っていました。
そのにがりには、カルシウム、マグネシウム、カリウム、鉄などのたくさんのミネラルか含まれていました。
ところが、製塩方法が変わり、現在の塩は限りなく、塩化ナトリウム100%近く純粋になっています。
塩が変わったのですから、醤油や味噌なども変わってしまったということになります。
さすがに最近は、精製されすぎた塩に疑問をもつ人が増えたことが大きいのでしょう。
精製度の低い塩が販売されるようになっています。
入手するのも難しくなくなっていますが、よい傾向だと思います。
いずれにしても、少し前まで、私だちが口にするものに精製された食品は極めて少なかったのです。
一見、副食も少ない「一汁一菜」に近い食生活で生きてこられたのも、精製食品が極めて少なかったからなのです。
まさに、そのような時代に生まれ、育った方々が長寿国日本を支えてきたということができます。
関連参照:
和食の知識
中高年からの筋肉作り
転ばぬように、歩き続ける方法
つまらんことでしょうか
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