最近、日本のテレビや雑誌などで
「腸内フローラ」がさまざまな病気に影響していると話題になっています。
腸内フローラとは、ズバリ、腸内にいる細菌の集団(腸内細菌叢)のことです。
実は、人間の大腸の中には
1000種以上、約600兆個もの大量の腸内細菌が住んでいます。
その細菌が種類ごとに集団を作って、腸内に広がっている様子が
花畑に似ていることから「腸内フローラ」と呼ぱれるようになりました。
近年、この腸内フローラの重要性が注目され、21世紀は
「腸の時代」などもといわれ、現代医療のトップランナーになるほど研究が盛んに行われているのです。
ヒトの腸内フローラの構成が極めて個人差が大きいために、それらが住む場である大腸は、ヒトの臓器の中で最も種類の多い疾患が発症する場なのです。
腸内フローラを構成している細菌が直接、腸管壁に働き、消化管の構造・機能に影響し、宿主の栄養、薬効、生理機能、老化、発がん、免疫、感染などに極めて大きな影響を及ぼすのです。
腸内細菌が産生した腐敗産物、細菌毒素、発がん物質、二次胆汁酸などの有害物質は腸管自体に直接障害を与え、発がんやさまざまな大腸疾患を発症します。
また、一部は吸収され、長い間には宿主の各種内臓に障害を与え、発がん、肥満、糖尿病、肝臓障害、免疫能の低下などの原因になるであろうと考えられています。
研究が進むにつれて、腸内フローラを構成する腸内細菌は、小腸で消化吸収されずに、大腸に到達した食物繊維などから、
・酪酸やビタミンB群などさまざまな有益な物質を作ったり、
・有害物質を分解して無毒にしたり、
・体を異物から守る免疫に重要な働きをしたりするなど、
私たちの健康維持に大きく貢献していることが明らかになっています。
そして、何と腸内フローラの中に、
「デブ菌」「ヤセ菌」と呼ばれる腸内細菌がいて、
肥満に大きく関わっていることが新たに分かったのです。
すなわち、太った人はファーミキユーテス類という腸内細菌の種類の割合が多く、痩せている人にはパクテロイデーテス類という種類の割合が多かったのです。
このことから、腸内細菌のファーミキューテス類は肥満を招きやすいデブ菌であり、バクテロイデーテス類は太りにくくなるヤセ菌といわれるようになり、そのバランスによって、肥満あるいは痩せが促進される、と考えられるようになりました。
このように、ヒトそれぞれの臨丙細菌の構成が分かれば、病気の治療、健康状態の把握などに利用できる、という無限の可能性が秘められています。
実際、ヨーグルト、乳酸菌飲料、納豆といった発酵食品や腸に効く食物繊維を豊富に取ることなどで腸内フロ上フのバランスが整えば、有害な菌をやっつけ、免疫力を高めてくれる[善玉菌](ビフィズス菌、酪酸菌など)が増えて、健康的に生活できます。
逆に、乱れた生活を送ると、車内を腐敗させたり、有害物質を作ひ出す「悪玉菌」が増え、腸内バランスは崩れていきます。
例えば、肉食過多、運動不足などです。
もしも下痢、便秘などが起きたら、体操で腸を強くしたりして、腸内環境を良くすることが大切です。
命さえ左右する臓器である「腸」を制することこそが快適なネクストーライフを手にする「はじめの一歩」であると肝に銘じましょう。
関連参照:
和食のイロハ
中高年からの筋肉作り
転ばぬように、歩き続ける方法
つまらんことでしょうか
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