「鰯の頭は鴨の味」
焼いたイワシのいちばん美味なところは、頭の部分だ、という意味です。
とくに、こんがりとあぶったものなどは、カモを寄せつけないほどのうまさがあるのです。
イワシの頭のかすかな苦味が、ほどよい脂、塩味となじんで、実においしいのです。
イワシのありがたさは、丸ごと食べられる「一物全体食」にあります。
マグロを頭から尾まで、丸ごと食べるわけにはいきません。
骨や頭部などを除去して、肉の部分だけを食べる魚を「白米」とすれば、
イワシのように、全部食べられる魚は「海の玄米」というわけです。
イワシには、新しい細胞を作る上で欠かせない、良質のタンパク質をはじめ、脳細胞や体細胞によい脂質、ビタミンA、B類、D、E、カルシウム、鉄分、亜鉛、そして核酸など、多彩な成分が豊富に含まれており、まさに『海の玄米』と呼ぶにふさわしいのです。
日本人は、慢性的なカルシウム不足で、
イライラやストレス、あるいはトゲトゲしい社会現象の原因にもなっているほどです。
カルシウムの1日の必要量は600ミリグラムですが、実際にはその90%前後しか摂っていないのです。
ところが、イワシにはカルシウムがたっぷりなのです。
たとえば、ウルメイワシの丸干しの場合、100グラム中に570ミリグラムも含まれています。
しかも、内臓には、カルシウムの吸収を高めたり、骨の強化には欠かせないビタミンDが含まれています。
カルシウムには、脳の神経伝達物質がスムーズに機能するのを助ける働きもあります。
カルシウム不足でイライラしたり、キレたりするのは、脳細胞と脳細胞の間の情報の受け渡しが、
うまくいかなくなるためなのです。
怒ったり、イライラしたりすると、血圧も高くなり、脳や心臓にかかる負担も増えるから、長生きにはたいへんなマイナス要因となります。
ボケや寝たきりの予防にも、イワシに多い核酸とDHA(ドコサヘキサエン酸)は、不可欠なのです。
人間の脳細胞は140億個もあり、そのひとつひとつにシナプスという情報をやりとりする木の枝のように伸びた突起があります。
イワシに多い核酸は、その突起(樹状突起という)を伸ばし、記憶の回路をつなぐ作用をしているとみられ、老化がもたらす記憶力の低下やポケの予防にも、少なからず期待されているのです。
関連参照:
和食のイロハ
転ばぬように、歩き続ける方法
つまらんことでしょうか
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