2017年4月30日日曜日

養殖昆布と天然昆布

日本の料理に欠かせない出汁。そのなかの昆布の話です。

天然の昆布は収穫量が限られており、そのため近年、昆布の養殖が増えてきています。

2年目しか収穫しない天然ものとは違って養殖ものの中には促成の1年生えの昆布もあり、これは一般にも出回っていますが、味が弱く上等ではありません。

養殖昆布の2年生えは、天然のものとあまり味わいに差がないと言われています。

「魚の養殖と異なり、餌や環境は天然ものと変わりませんから、差は小さいのでしょう」
と、昆布を取り扱う専門の方々は言います。

強いて言えば、海中に張った綱は、天然ものが生えている沿岸よりも少し沖の海に設置されます。

深度が深いと昆布に日光の当たる強さがやや弱くなり、光合成の関係から味に影響するかもしれません。

促成の1年養殖昆布は、秋には室内で種苗を生産し、10月中句から明年8月までの本養
成に入ります。
 
2年の養成昆布は、12月に苗付けをしますが1年生えは収穫せず、1年後の初冬に再生した昆布を選んで網に巻き付け、本養成に入り夏に収穫します。

本養成の網は長さ50メートルほどの、運動会の綱引きのようなもので、浮き玉を使って海中に浮かせます。

苗付けや昆布の巻き付けは、北海道の冬の極寒のなかで行われる厳しい作業です。

専門家や料理人の話では、養殖昆布でもよく熟成されたものは天然ものと比べても風味は申し分ないといいます。

「一番だしにしても十分使えます」とのことですがうま味の強さはやや足りないのだそうです。

煮物にすると「腰が弱い」と感じられることがあるそうです。

やはり天然ものの味わいの強さは捨てがたいといいます。


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