2015年10月29日木曜日

ニッポンの粗食を見直すー8。漬物 

漬物は、ごはんと一緒に野菜をおいしく、そして賢く食べる最善の方法です。

塩が素材に効果的に働きかけ、野菜にうま味と栄養価をプラスします。


漬物は味噌汁と同じく、ごはんをおいしく食べさせてくれる名脇役です。

数時間で作る浅漬け、数日でできる糠漬け、何年も漬け込む奈良漬まで、漬け物の範囲は実に幅広いものです。

そして何にせよ、あらゆる漬物作りに不可欠なのが「塩」です。


塩には腐敗菌を抑えて、発酵を促す働きがあります。

また、脱水作用により、素材に含まれる水分を追い出して軟らかくしたり、酵素の働きを活性化させてうまみ成分を作り、アクをなくしてくれます。

生では食べにくい素材でも、漬物にすればおいしくなるのはこのためです。


漬物にはさらに、これも脱水作用によるものですが外からの味や成分が素材に浸透しやすくなるというメリットもあります。

この性質を生かし、魅力を存分に発揮するのが、糠の成分が染み込んだ「糠潰け」です。

微量栄養素もさることながら、糠は乳酸菌の宝庫でもあります。

なにしろ、たった1gの糠に1億個の乳酸菌か存在するといわれるほどなのです。

乳酸菌には、腸内の陽性度を高め、腐敗菌を抑える整腸効果があります。

腸内で乳酸菌を繁殖させるには、乳酸菌の好物である食物繊細を糠と一緒に摂取するのが効率的です。

従って、野菜の糠漬けは理想的な食品といえるのです。

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●出典:幕内秀夫「ニッポンの粗食 ごはんの基本レシピ」より

関連参照
和食の知識

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2015年10月22日木曜日

消化・吸収の通路を増やすために

サプリメントに比べ、食べ物のほうが複雑な構造をしています。

複雑に組み立てられているので、バラバラにするときもたくさんの工程を経なければなりません。
 
栄養素がバラバラになっていく過程で、この栄養素はこっち、あの栄養素はあっちというように正しい通り道がわかっていれば、それぞれの栄養素が行くべき場所にたどり着き、その役割を果たすことができます。
 
しかし、通り道がわかっていないと、行き先にたどり善くことができず、役目も果たせないまま、排出されてしまいます。


つまり、好き嫌いなくいろいろな食べ物をとるということは、複雑なブロックをバラバラにする過程をたくさん身につけ、栄養素が通る道を開拓し、整備しているようなものということが出来ます


小学校では、さまざまな科目を勉強します。

どうしてあれほどたくさんの科目をやるのかというと、脳幹に渡す橋を増やすためということです。
 
たとえば、2×2が4であることに思い至るには、脳幹の橋をひとつ渡らなければなりません。

私たちは、さまざまなことを考えるとき、脳幹に渡してある橋をいくつも通ることによって、正しい答えを導き出しているというわけです。

また、脳幹に架かっている橋の本数が多く、通っている回数が多いと、答えを出すスピードが速くなるのです。
 
いろいろなものを食べるというのは、脳幹の橋を造るのと同じことだと思います。

いろいろなものを食べていくことで、どうやって使い、どう機能するのかということを覚えていくのだと思います。
 
決して、豪華絢爛な食事をしろという意味ではありません。

お芋の煮っころがしや小松菜のお浸しなど、普通のものでいいのです。

特定の食材に偏ることなく、バラエティ豊かにいろいろ食べていくことで、栄養素が吸収される通り道ができていくのです。
 
サプリメントほとりたい栄養素がピンポイントでとれる便利なものですが、サプリメントを効率よくとるためにも、バランスのとれた食事をすることが大切なのです。
 


関連参照
酵素丸わかり
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2015年10月17日土曜日

酵素を生かす食べ方のポイント

まず、ひとつ目は生の野菜と果物中心の食事に切り替えることです。

それらはたくさんの酵素、良質のビタミンやミネラル、ファイトケミカル、食物繊維、水分などを含んでいます。
 
ただ、野菜の中には、加熱調理することで栄養価が下がったり、消化しやすくなるものもあります。


たとえばにんじん。生で食べるより加熱し、さらに油と一緒に食べることで栄養は吸収されやすくなります。


また、野菜は煮ると、噛んで食べただけでは壊れない細胞膜が破壊され、栄養成分の吸収がよくなるという側面もあります。

量もしっかりとれ、食物繊維もその分、たっぷり摂収できます。

そこでオススメなのは、生野菜と加熱野菜のいいとこ取りです。

1日の野菜摂取量は400~500g以上を目標に、生野菜を半分以上、残りを加熱した野菜で、と意識してみてください。


 
そしてもう1つ。
いくら体にいいとはいえ、毎日、生野菜や果物だけでは、限界があるでしょう。
そこで少量なら動物性たんぱく質もOKと考え、

・肉を食べる日は魚を食べず、魚を食べる日は肉を食べない
・1週間で食べる目安は、肉は100~200g、魚は200~300g、卵は3~4個
 
ということを心がけましょう。

なお、牛の肉や魚には生きた酵素が存在します。

良質の生肉や刺身は加熱したものより、ずっと消化しやすいのです。
 
とはいえ、食べないですむなら、それに越したことはありません。

食べすぎては、元の木阿弥なのです。体内の消化酵素の使いすぎになるので、注意しましょう。
 

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酵素丸わかり
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2015年10月12日月曜日

専用のエネルギーで動く筋肉

筋肉中には、ブドウ糖とブドウ糖がいくつも枝分かれをして結びついた、グリコーゲンと呼ばれる貯蔵型の糖が多く存在しています。

糖が血液中と肝臓に蓄えられていることはよく知られていますが、体の中で糖をいちばん多く蓄えているのは筋肉中です。
 
私たちは、主にブドウ糖を中心としたエネルギー源を燃やすことで、生命を維持し活動をしています。

筋肉もまた、エネルギー源を燃やすことで動いているわけですが、筋肉は、その部分に蓄えられたグリコーゲンでしか動かすことができません。

たとえば腹筋運動を何十回か行った場合、もうこれ以上続けることはできないと思っても、背筋運動であれば、一息ついた後からなんなく始めることができます。
 
もしも、体中の筋肉に蓄えられているグリコーゲンをすべて腹筋のエネルギーとして使うことができたとしたら、全身が動かなくなるまで腹筋運動を続けることができるはずです。

そして、腹筋運動にすべてのエネルギーを使うことができたら、もうこれ以上は続けられないと思った時点で、他の筋肉も動かすことができなくなるはずです。
 
繰り返しになりますが、筋肉がエネルギー源にできるのは、その筋肉に貯蔵してあるグリコーゲンです。

そのため、特定の筋肉だけをずっと動かし続けることは不可能なのです。
 
一方、特定の部位を集中的に使う人は、その部分が発達しています。

筋肉が発達するということは、エネルギーの貯蔵タンクが大きくなるということであり、大きくなったタンクには、以前よりも多くのグリコーゲンが蓄えられることになります。

よって筋肉中に蓄えられるグリコーゲンの量が増えれば、増えた分だけ、その筋肉を動かせるようになります。
 
つまり、筋肉は、使うことでタンクを大きくし、タンクを大きくすることでより多くのグリコーゲンを蓄えるというように、バンプアップを繰り返すことによって発達しているのです。


適切なウェイト・トレーニングをしていれば、

「使う→壊す→治る→エネルギータンクが大きくなる」

というサイクルによって、自分のイメージ通りに筋肉を発達させることができるわけです。

 
逆に、動かすことのない筋肉というのは、エネルギーを蓄えておく必要がありません。

エネルギーが少なければ、たまにその筋肉を動かしたとしても、短時間しか動かすことができなくなります。

タンクを大きくしていくときと逆の流れ、負のスパイラルに陥るわけです。

好ましい例ではありませんが、最近、筋力のない子供が多いように思います。

正しい姿勢で立っていることができず、すぐにしゃがみ込んでしまったり、立ち居振る舞いも美しくありません。

筋力のメカニズムを知ることで、負に陥っているスパイラルに歯止めをかけ、適切な筋力を維持できるようになってきます。

2015年10月10日土曜日

ご飯(米)は太るのか?


ごはんに関する俗説に「ごはんは太る」というものがあります。


総理府の

『食生活・農村の役割に関する世論調査(昭和62年)』

を見ると、昭和53年には29.6%、最近は減ったとはいえ、
18.4%(昭和62年)もの人が「ごはんは太る」と考えているのです。

 
ところが、これとは逆に深刻な肥満、心臓病大国アメリカなどでは、

ご飯を食べて肥満を解消しようとする動きが出てきているのです。


それは、1982年にアメリカの農務省および厚生省の出した
『栄養とあなたの健康--アメリカ人のための食事指針』の影響が少なくないように思われます。


この指針の要点7項目は次の通りです。

①バラエティに富んだ食品をとろう
②望ましい体重を維持しよう
③脂肪、飽和脂肋、コレステロールをとり過ぎないようにしよう
④デンプンと食物繊維をしっかりとろう
⑤糖分をとり過ぎないようにしよう
⑥ナトリウムをとり過ぎないようにしよう
⑦アルコールを飲むなら、ほどほどに飲もう
 
つまり、
「肉類や砂糖類を減らし、もう少しデンプン質の食品を食べて体重を維持しよう」
といっているわけです。

しかも日本人には極端な肥満や心臓病が少ないということもあって、米を見直すアメリカ人が増えているといいます。

テレビの料理番組でも米を使った料理が増え、スーパーマーケットなどでも米を置くところが増えています。
 
現在でもまだ、肥満を防ぐには「ご飯を減らそう」などという日本とは、まさに逆の動きがでているわけです。
 
なぜ、両極端の考え方があるのか。

お国の事情、民族差などもあるかも知れませんが、もっと大切なことは、
米(こめ)には肥満をもたらす因子も、肥満を予防する因子もないということなのです。

それは、米だけではなく、ダイエット食品として人気のあるさまざまな食品にも同じことがいえます。
 
そもそも太るということは、だれでも分かるように、食べる量(摂取エネルギー)が、運動量(消費エネルギー)を上回るために起こることなのです。

つまり、問題の一つに現在の社会生活(仕事など)があまりにも機械化され、自動車社会になり、あるいは頭脳労働か増え、極端に体を使うことが減っていることがあげられます。

そして、「孤独な豚は太れない」、あるいは「さびしい女は太る」という言葉があるように、都会の孤独、人間関係の疎外感というのだろうか、精神的充足感を食べることで解決しようとする面もあります。


つまり、食べ過ぎれば太ることはわかっているのに食べてしまう、その原因が生活そのものにあるということなのです。

 
例えば、人にとって一日に必要なエネルギーを100とします。

効率のよい食べ方をすれば100、十分だが、効率が悪ければ100食べても体内では30か40しか利用されないのです。

つまり、60から70は不足しているわけです。

そうなると生命を維持するために、自分では意識しなくても、ついつい何かを食べることによって補おうとすることになってしまうのです。
 
それは健全な生理作用であって、何ら不思議なことではありません。

効率のよい食べ方をするために大切なのが、まさに、ご飯を中心とした日本人の体質に合った食生活であり、微量栄養素(ビタミン、ミネラル類)をきちんととることなのです。
 
つまり、私たち日本人の体を石炭ストーブに例えるならば、石炭を入れるのが当然であり、石油やガス(肉、乳製品、油など)を入れても、うまく燃えるはずがないのです。

それどころか危険でさえあります。

そして、いくら石炭を入れても酸素(微量栄養素=ビタミン、ミネラル類)を入れなければ、
やはり燃えるはずがないのです。

これではいくら経っても暖まらないので、また石炭を入れることになる。

それが慢性的な過食の原因だといえるのです。

このように、肥満という問題は、たしかに食生活が大きな比重を占めていると思われます。

食生活を変えることによってスマートになる人もいるし、運動をすることによってうまくいく人もいるでしょう。
 
しかし、わかってはいても物理的にも精神的にも実行するのが難しいのが、現代社会ではないでしょうか。

まさに、生活全体の問題であるという点に難しさがあるわけです。
 
そのように考えてみれば、たった一つの食物、「米」は太るとかやせるなどという問題ではないことが分かるでしょう。
 
実際には、「粗食」の主役であるご飯をきちんと食べることによって太るということはほとんどないのです。

むしろ、きちんと食べることによって、スマートになる場合がほとんどなのです。

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●出典:幕内秀夫「粗食のすすめより

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2015年10月8日木曜日

ニッポンの粗食を見直す-7。味噌汁


味噌汁は「発酵」という知恵から生まれたごはんの名脇役です。

ごはんに足りないものを補って、食生活に楽しい味つけをしてくれます。


ごはんには味噌汁を添えるもの。

誰もが知っている、和食(粗食)の定番スタイルです。


一見なにげないようで、これか実に賢い組み合わせなのです。

ごはんにただ一品、味噌汁をプラスするだけで、体に必要なものを摂収できます。


ごはんは日本人に、最も手に入りやすく、かつ体に適したエネルギー源です。

しかし、その成分のほとんどは炭水化物なのです。

体にとって必要なたんぱく質や脂質などは、ごはんだけでは賄いきれません。
 
そこで、私たちの祖先は豆や種実類を食べて、これらの不足分を補ってきました。

とりわけ画期的なのが、味噌をはじめと大豆の発酵食品の発明です。
 
大豆は秋から冬に収穫される作物です。

ある豊作の年、余った大豆を塩漬けにしておき、そこそこ腐敗したものを食べてみたところ、味噌になっていた………。
 
味噌、醤油、納豆といった発酵食品は、発明というよりも、恐らく大豆を保存する過程で偶然生まれたものではないでしょうか。

きっかけは偶然だったとしても、発酵食品の良さを見抜き、腐敗を発酵に変える知恵を、日本人は早い時期から持ち合わせていたようです。

味噌の元祖ではないかと言われると「未醤」の記録は、実に大宝律(701年)に残されています。

また、大豆のみならず、日本の各地には独特の発酵食品がたくさんあります。

湿潤温暖な気候と、カビや細菌、酵母菌などの微生物、そしてその土地でとれる食材を巧みに利用した発酵食品。

これらはまさに、風土によって育まれた食品といっていいでしょう。
 
こうした発酵食品の大きな魅力は、食べると善玉の腸内細菌が増える点です。

いうまでもなく便秘にも効果的です。

また、消化吸収率が抜群で、大豆の発酵食品では80%と、大豆そのものよりもはるかに高い数字です。

つまり、味噌の誕生により、大豆に含まれるたんぱく質や脂質を非常に効率良く摂取できるようになったのです。

そして、味噌をさらに進化させたものか味噌汁です。

味噌汁の具については、ルールは何もありません。おいしければ何を入れてもかまいません。
もちろん旬の野菜をふんだんに使えば、季節感を味わえます。
 
続いて「だし」にも注目したいですね。
煮干し、昆布、カッオ節などで取るだしには、動物性たんぽく質やミネラルが含まれます。

これらも、体にとって貴重な栄養素なのです。

そのうえ、食欲をそそる風味やうまみも加えてくれます。

このように味噌汁は、ごはんに足りないものを見事にカバーしつつ、食生活の幅を広げてくれます。まさに、ごはんの名脇役といえるでしょう。


ごはん同様、味噌汁は毎日食べるものだから、ちょっとこだわって、いい味噌だしを用意したいものです。

味噌には様々な種類かあります。地方色も強い傾向にありますが、家族みんなが食べるものだから、好みで選ぶといいでしょう。

ただ、最近では速醸法といって、大豆を十分に発酵させず、短期間で作っている味噌も少なくありません。

時間をかけてじっくり発酵させた本物の味噌とは、香りも味わい深さも違います。

香りが味噌の命ですから、多少値段は高くとも、本物を使うことをお薦めします。

だしは、できれば手作りしたいものです。
昆布とカツオ節のだしは、カツオ節を日本茶用のパックに詰めて使うと、後片づけに手間取りません。

―度に作り、塩を少し加えて冷蔵庫で保存しておくという手もあります。

だしの作り置きは、煮物やあえ物にもさっと使え、何かと重宝します。
 
朝の空気に漂う味噌汁の香りほど、心安らぐものがほかにあるでしょうか。

この香りを絶やさない限り、あなたの食生活に大きな間違いはないはずなのです。

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●出典:幕内秀夫「ニッポンの粗食 ごはんの基本レシピ」より

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2015年10月4日日曜日

ニッポンの粗食を見直す-6。雑穀



ごはん食で健康になるコツ


人間の体に必要なエネルギー源といえば、炭水化物、脂質、たんぱく質です。

炭水化物は紙、脂質はつめ、たんぱく質はロウソクに置き換えて考えるとわかりやすい。

これらに火をつけると、どうなるでしょう。

 
紙はあっという間に燃え、あとには何も残りません。


爪切りで切った爪つのかけらは、異臭を放ちなかなか燃えません。

ろうそくは黒いすすがでます。
 
ごはんは紙と同じ炭水化物です。


つまり、素早くきれいに分解される、効率の良いエネルギー源です。

体にかかる負担も少なくてすみ、少しぐらい食べ過ぎても問題ありません。

私たちは、もっとごはんを食べるべきでしょう。

現代の便秘の重大な原因は、ごはんをあまり食べないことにあるかもしれません。

「米」が「異なる」と書いて「糞」。

食べるものを食べないと、出るもの出ないはずです。

ぜひ一度、ごはんをしっかり食べる生活をしてみてください。



ところで、漠然と「ごはん」といっても、いろいろな種類があります。

その違いはお米の精製度によるものです。
 
お米を精裂するというのは、米の表面を覆っている(かす)を削り落とし、白くすることです。

ところが実はこの糠こそが宝ものなのです。

ビタミン、ミネラル、食物線維などの栄養素を豊富に含んでいます。

ですから、もっとも栄養価が高いのは未精製の玄米、逆に低いのは100%精製された真っ白な米、ということになります。
 
せっかく食べるなら玄米を、といいたいところですが、玄米ごはんは白米のごはんと比べると、ややクセがあります。

特有の風味や、モチモチッとした食感、消化があまり良くないなどで、苦手な人もいるでしょう。

そうした点も考慮すると、五分づき米がお薦めです。

(五分づき米は、どこで購入するの?お米屋さんで精製してもらう必要があります。または、精米機を使い自分で精米することもできます。)

糟を摂取でき、しかも白米のごはんと変わらないおいしさなのです。


もう一つ提案したいのが、アワ、キビ、ヒエといった栄養価の高い雑穀を交ぜ込んだごはんです。

ごはんに少し加えて炊けばばいいだけですから、手間もかかりません。

 
しかし、まずはごはんを毎日食べるところから始めましょう。

最初から五分づき米、雑穀と、何もかも試す必要はありません。

できることから、じわじわと挑戦してみればいいのです。しかし、決して無理をしないこと。

それがごはん食で健康になるコツです。

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●出典:幕内秀夫「ニッポンの粗食 ごはんお基本レシピ」から

関連参照
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2015年10月2日金曜日

ニッポンの粗食を見直す-5.ごはん

無国籍で、どこかおかしな食生活に疑問を感じ始めたら、
とりあえず「ごはん」に返ることです。

「ごはん」には、1000年以上もの間、日本人の主食であり続けた実績があるのです。


いうまでもなく、私たちが1日に何度か食事をする目的は、体に必要なエネルギーを摂取することにあります。 


「主食」とは、まさにそのエネルギー源となる、主たる食物のこと。


そして日本人の主食といったら、今さらいうまでもなく、「ごはん」です。

当たり前のように食べているごはんですが、その魅力をどれほど知っているかと聞かれると、灯台もと暗し。意外に知りません。

ごはんは日本人にとってあまりに身近過ぎて、かえって深く理解する機会を逃してきてしまったのではないでしょうか。

毎日食べるからこそ、本当に大事なのですから、ごはんという食物と、しばし向き合ってみましょう。


まず、ごはんが主食になったわけを考えてみます。

日本人は、はるか縄文後期や弥生の時代から、ごはんを主食にしてきました。

そうなった理由はとても単純。日本ではお米が良くとれるからです。

お米は日本の風土に合い、安定した収量を得られる作物です。

また、お米はすぐに腐ったり傷んだりしないので、余れば蓄えておくことができ、長期保存も可能です。
 
何はなくともお米を炊き、ごはんさえ食べていれば、生きていくことができるのです。

こうした点から、ごはんは食として不可欠な条件を備えているといえます。


ところが連作障害が起きやすく収量が不安定な小麦だと、こうはいきません。

実はパンは、ごはんと肩を並べて「主食」というには頼りないのです。
 
だからこそ欧米などパン食の国では、肉や乳製品、油をたっぷり使ったカロリーの高い利理
を食べる必要があるのです。

もちろん、パンでは足りない分のエネルギーをそれで補うためなのです。

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●出典:幕内秀夫「ニッポンの粗食 ごはんの基本レシピ」などより

関連参照
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