喉につかえるようになった、呑み込み(嘸下)に手こずるようになると、年をとったなあとしみじみ思うところでしょうか。
食物を口に運び、噛み砕き、気管の入り口(喉頭蓋)を閉じて食道へと流し込む、この一連の動作を意識せず、反射の連続で行えていれば問題ありません。
しかし、これを無意識に行うのが困難ならば、神経障害が考えられます。
この場合、専門の医療機関で原因を突き止めたうえで、その原因に対する処置とともに嘸下訓練を行うことが改善への道筋ですが、長期を要することもありますので、気長に、根気よく取り組んでみてください。
特に障害がなければ、口に入れたものをよく噛んでいない可能性もあります。
ちやんと咀嚼しないと、当たり前ですが食べたものが次の段階に進みにくくなります。
大きいまま食べたら喉につかえるのは、高齢者だけの話ではありません。つかえるということを自覚しているなら、まずはゆっくり食べ、よく噛むことから始めてみてください。
歯周病などで歯を何本も失っていたり、歯根がぐらぐらになっている人も少なくありません。
こうした口の中の環境を整えることは消化器の負担を軽くし、食べた栄養を効率よく吸収することにつながります。
また、きちんと咀嚼を行うと、その刺激が脳に送り込まれ、認知症の進行を遅らせる効果があることが動物実験でも明らかになっています。歯がなくなったから流動食でいい、とはいえないのです。
結果的に健康、そして長寿への第一歩にもなりますから、口腔内の手入れ、清掃はくれぐれも怠らないようにしてください。
また、嘸下する際の喉の違和感などから食道ガンや咽頭ガンが見つかることもありますから、喉につかえやすくなった原因を特定しましょう。
極端に熱いものや辛いものを好む方、タバコを吸う方は食道ガン、咽頭ガンのハイリスクグループといえます。
関連参照:
「加齢」との付き合い方
老化。焦げ・枯れ・錆びと
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