2015年9月13日日曜日

たんぱく質はアミノ酸の集合体

人間のカラダは約20種類のアミノ酸でできています。

それぞれのアミノ酸には名前がついていて、機能も違います。
しかし残念なことに、人間は約半分の11種類のアミノ酸しか、自分の体内で準備ができないのです。

それ以外の9種類のアミノ酸は、それを持つ生き物から摂るということになります。

人間が生きていくためには、他の生物の命に頼らざるを得ないのです。

人が独自に合成できない9種類のアミノ酸は、スレオニン、リジン、フェニルアラニン、ヒスチジン、トリプトファン、メチオニン、バリン、イソロイシンで「必須アミノ酸」と呼ばれています。

では、アミノ酸とはどんなものでしょうか。

簡単に言ってしまえばツメがたくさんある物質で、ツメ同士で結合し合った物質がたんぱく質です。

言い換えれば、たんぱく質=アミノ酸です。

大雑把な言い方ですが、人間のカラダの中で、形のあるものはほとんどがたんぱく質で形成されています。

筋肉、毛髪、皮膚、ツメ、血管、そして血液も主な成分はたんぱく質です。

このように成分が同じなのに、さまざまな形態になっているのはなぜなのでしょうか。

それはたんぱく質を構成するアミノ酸の種類や数が違うからです。

筋肉は筋肉の、毛髪には毛髪のアミノ酸の組み合わせがあって、アミノ酸の結合の仕方や数が、違ったたんぱく質の形態となってあらわれているのです。

たとえば、弾力のある血管にしたいと思って、口からたくさんのたんぱく質を摂っても、すぐに血管の形になるわけではありません。

口から入ってきたたんぱく質は体内で消化されます。

まず胃の中で、胃液に含まれるペプシンによって大まかに分解され、その後、膵臓から分泌される
膵液(トリプトシン)や腸液でさらに分解され、より細かいアミノ酸の状態となって小腸で吸収されます。

こうしたプロセスを経て、はじめてカラダを形成する材料となり、カラダから指令を受けたアミノ酸の1つ1つが目的に応じた配列に結合されていくのです。

このアミノ酸がカラダのどの部分で使われるかは、「神のみぞ知る」ということです。
 
私たちが食事として食べるたんぱく質は、筋肉を形成したり、髪の毛になったりするための働きを無意識のうちに行っているのですが、この大切な作業を確実に行うために私たちが意識して行えることが1つだけあります。

それはよく噛むことです。

噛むことによって出る唾液はでんぷんを消化しますが、たんぱく質を分解することはできません。

しかし、しっかり咀嚼することで、「食べ物がもうじき入ってくるぞ」というサインが胃に届きます。

すると胃や腸が消化の準備を開始します。

噛んでいる間に、胃の中では20~30%の胃液が分泌されて、噛み砕かれた食物がいつ入ってきてもいい状態になっています。

さらに、咀嚼され細かくなった食べ物は表面積が大きくなり、より多くの胃液に触れることで消化効率もグーンと上がります。

これが次々と連鎖して、腸液や豚液もスムースに分泌されて、消化だけでなく吸収も効果的に行われるようになるのです。

「筋肉を太くしたいから」とたんぱく質を大量摂取して、よく噛まずに呑み込むようにして食べる量をこなす人がいます。

これはまったくの逆効果。

たんぱく質が十分に吸収されないうえに、胃腸に負担をかけてしまうのです。


関連参照
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