あるいは自律神経障害も考えられますが、回転性でない場合、数の上で一番多いのは起立性低血圧症でしょう。
昔、学校の朝礼でふらついて倒れる(多くは女性の)生徒をたまに見かけたでことがあるでしょう。
あの時期特有の思春期性起立性低血圧症は、急速なホルモン変動も一因だとされていますが、成人の場合は姿勢を変化させたときなどに生じがちです。
横になっていた人が急に立ち上がれば、重力に引かれた血液はどうしても下肢の方向へ偏り気味となります。
このときに、加齢に伴い血管内で血圧を感知する受容体の感度が低下し、姿勢の変化に対する血圧の調整がうまくいかなくなると、めまいを感じやすくなります。
食後や排便後に体内の環境が変わったのに、自律神経がうまく対応できなくても、一過性の低血圧になることはあります。
加齢に伴い、体内を循環する血液量は減少していきますから、血圧を保ちにくくなる人も現れます。高齢者に広く見られる無自覚な脱水症も、血液の絶対量を減らし、低血圧の一因になります。
こうした場合は水をしっかり飲んでもらって、循環血液のボリュームをしっかり確保することでも改善につながります。
気をつけたいのは、めまいの背後に、糖尿病、アルコール依存症、高齢者では動脈硬化などの疾患が隠れていることです。
高血圧で治療中の方は、降圧剤の影響も考えられます。
また、平衡感覚に影響する中枢神経である小脳に梗塞があっても、めまいや立ちくらみを生じるときがあります。
症状がつらければ、耳鼻咽喉科や脳ドックを受診しましょう。
単なる起立性低血圧で生活に支障がなければ、特に心配はないはずです。
関連参照:
「加齢」との付き合い方
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