3大栄養素(タンパク質・脂質・炭水化物)がバランスよく含まれているだけでなく、鉄分、ミネラル、ビタミン、食物繊維なども豊富で、小さな豆の中に、栄養ががっしりと詰まっている。
大豆は「畑の肉」とも言われる通り、卵や玄米にも負けない、優れた栄養食品なのだ。
10年ほど前まで、大豆などの動物物性タンパク質だけでは、体の材料となるアミノ酸が補えず、栄養不足になってしまうという説が主流だった。
そのため、肉や魚などの動物性タンパク質も積極的に摂りましょうと言われていたのだ。
しかし、最近の研究によって、大豆には、人間が生きていくうえで必要な栄養素が、ほぼ完璧に含まれていることがわかった。
大豆や、その加工品から植物性タンパク質をしっかりと摂っていれば、動物性の食品を食べなくても、栄養が不足することはない。
戦国時代、強大な武力を待った比叡山延暦寺の僧兵が、織田信長を苦しめたことはよく知られているが、僧侶たちのパワーの源は、大豆だったのだ。大豆は、約40%がタンパク質だ。
タンパク質は、体を作り、生命を維持するのに欠かせない重要な栄養素である。体は新陳代謝を繰り返しているため、新しい細胞の材料となるタンパク質は欠かせない。
大豆のタンパク質含有量の多さは、牛ヒレ肉(約21%)や鶏のササミ(約23%)、サケ(約22%)と比べても、飛びぬけて多い。
さらに、最近の研究によって、大豆のタンパク質は、肉類に比べて、質的にも優れていることが明らかになった。
タンパク質は、アミノ酸で構成されている。アミノ酸には、さまざまな種類があるが、そのうち必須アミノ酸と呼ばれる9種類は、体内で合成することができないため、食物から摂る必要がある。
大豆には、この必須アミノ酸がバランスよく含まれているのだ。
また、大豆のタンパク質が分解すると、「大豆ペプチド」という物質が生まれる。
これは、食事のカロリーを熱として消費する働きを高める。大豆ペプチドは、基礎代謝を促し、内臓脂肪や皮下脂肪を減らすため、ダイエットに非常に有効だ。
タンパク質以外にも、大豆の中に含まれる脂質、α-リノレン酸は、体内に入ると、EPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)になる。EPA、DHAは、生活習慣病を防止したり、がんを抑制したりする効果がある。
EPA、DHAは、アジやサバなどの青魚に多いことで知られているが、植物の中で、これほど良質な脂質を含んでいる食品は大豆だけである。
肉にも勝るタンバク貿と青魚にも劣らない上質の脂質。大豆は健康面から言っても、「畑の王様」なのである。
また、大豆には、イソフラボンに代表されるような、女性ホルモンと似た働きをする物質
が入っている。
イソフラボンは女性ホルモンの一種、エストロゲンと同様の作用かおるため、更年期障害や生理不順など、女性特有の症状を改善する効果が認められている。また、バストアップや美肌作用も期待できる。
特に大豆を加熱し、搾った豆乳は、手軽に飲むことができ、脂肪燃焼効果もあるので、女性だけでなく、男性にもおすすめだ。
大豆は優れた栄養を持つ完全食品だが、ただ一つ欠点がある。
それは、調理に時間がかかることだ。今では、茄でたものをパックにした水煮大豆がスーパーなどでも売られているが、そうした便利なものがなかった時代、大豆の調理は、非常に手間がかかった。
生の大豆は、そのままでは食べられない。煮豆にする場合、一晩水に浸してから、鍋で2時間以上茄でる必要がある。
また、大豆の組織はそのままでは非常に硬いため、消化が悪い。消化吸収をよくするためにも、古来様々な加工方法が考え出されてきた。
例えば、大豆を煎って、粉にすると「きな粉」。
蒸した大豆を発酵させると「しょうゆ」や「味噌」、「納豆」になる。
豆乳の搾りかすは「おから」。豆乳を温め、表面に張った膜をそっとすくったものが「湯葉」だ。湯葉は乾物として長期保存も可能である。
豆乳ににがりを入れ、タンパク質を固めたものが「豆腐」。豆腐を揚げると「油揚げ」や「厚揚げ」、凍らせると「高野豆腐」になる。
また、大豆を暗所で発芽させると、「もやし」になる。
ビールのお供に欠かせない「枝豆」は、大豆の未熟な株を収穫したものだ。
こうしてみると、大豆からできた食品は、随分いろんなものがあることがわかる。
ダイエットにも、健康にもいい大豆を、毎日の食生活にもっと取り入れてみてはいかがだ
ろうか?
関連参照:
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つまらんことでしょうか
大豆すごい
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