脂肪細胞は、単なる脂肪貯蔵庫ではなく、PAI-I、TNF‐α、遊離脂肪酸(FFA)などを分泌しています。
FFA以外はたんぱく質なので、「アディポカイン」あるいは「アディポサイトカイン(脂肪の生理活性物質)」と呼ばれています。
これらの物質は、人間の進化の過程で脂肪細胞自身が、生理機能に適した脂肪量を蓄積するために獲得したものですが、飽食の現代では、血栓症や糖尿病を引き起こす「悪玉サイトカイン」と、とらえられるようになりました。
さらに、脂肪細胞は、自らの増殖を抑える(肥満にブレーキをかける)「レプチン」や「アディポネクチン」というホルモンも分泌しています。
特に、脂肪細胞からもっとも多く放出され、肥満やメタボりックシンドロームの抑制に大きくきくかかわるアデイボネクチンは、「超善玉ホルモン」といわれています。
なお、アディポネクチンのAdipoは「脂肪」Nectinは「くっつく」という意味で、1995年から1996年にかけて、マサチューセッツ工科科大学のグループ、ハーバード大学のブルース・スピーゲルマン博士のグループ、大阪大学の松滓佑次教授、昭和大学の富田基郎教授らの4つのグループが、それぞれ独自に発見したものです。
アディポネクチンは、人間の生理、病理などに深くかかわるホルモンです。
このホルモンの発見は、世界中の糖尿病や肥満症を研究する学者の注目を集めました。
現在までに、アディポネクチンに関する論文は4000本以上発表されており、糖尿病予防・治療、抗炎症作用など多くの機能が徐々に解明されはじめています。
今後は、糖尿病をはじめとして、アディポネクチン受容体を標的とした創薬が期待されています。
関連参照:
サプリメントとの付き合い方
「加齢」との付き合い方
アディポネクチンの増やし方
●記憶術
川村明宏のジニアス記憶術
●音痴解消
0 件のコメント:
コメントを投稿