2014年9月14日日曜日

ピマ・インディアンと肥満遺伝子

肥満の遺伝子が発見されたのは1994年です。

結論から言いますと、この遺伝子があるから、太るというのではありません。

肥満は遺伝子的要因より、現実的な生活習慣に起因しているのです。

このことは、アメリカのアリゾナ州に居住するピマ・インディアンが顕著に示しているのです。



彼らは、現在世界で一番太っている民族として知られています。人口の50%が2型糖尿病、成人の90%が高度肥満なのです。


では、なぜこのようになったのでしょうか?

実は彼らの50%は肥満遺伝子をもっています。元々太りやすい体質をもっているのですが、
1900年代初頭はむしろ痩身で糖尿病などほとんど発症しない民族でした。


それが、西部に移住した白人たちに押し出される形で、1970年代までに濃厚や狩猟といった彼らの伝統的な生活様式は破綻してしまったのです。

それで、アメリカ政府から食物供与などの手厚い保護を受けざるを得なくなってしまいました。


その結果、貧困は免れたのですが、アメリカ型の生活や食習慣を享受したおかげでわずか数十年で2型糖尿病や高度の肥満が増加したのです。



一方、アメリカのピマ・インディアンと同族で、共通の遺伝的な要因をもつピマ・インディアンが
メキシコに住んでいます。

彼らは、現在も農業と酪農などの肉体労働を続け、肥満とは無縁の生活を続けています。

この事実は、肥満遺伝子を受け継いでいても、従来の食生活や肉体労働を持続していれば、肥満にならないということを示し、高脂肪食や運動不足などの環境因子が加わることで肥満は発症する、ということを明示しているのです。



関連参照:
中高年からの筋肉作り   
「加齢」との付き合い方
つまらんことでしょうか




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