胃は、いわばミキサーのような存在なのです。
食べ物を粥状にして小腸へ送り出しています。
空腹時はベッタンコなのに食べ物が入ると1.8リットルほどまで広がります。
そんな伸縮性に富んだ袋状の消化器が胃です。
口から入った食べ物を胃液と混ぜて粥状になるまで撹絆します。
小腸の入り口である十二指腸に少しずつ絞り出して、小腸での消化吸収を確実に進めます。
栄養素により、胃に留まる時間には差があります。
ご飯やパンなどの糖質(炭水化物)は2、3時間でさっと通過しますが、肉類のように脂質やタンパク質が多いと4~6時間ほどかかります。
塩酸や消化酵素から胃壁自身を守るための工夫も必要です。
胃の重要な役割は、食べ物に含まれるバクテリアなどの殺菌消毒です。そのために胃壁から塩酸(胃酸)を含む胃液を分泌しています。
加齢で胃酸が減ると消化力が落ちて食欲も低下するのです。
胃液に含まれるペプシノゲンは胃酸で活性化され、タンパク質分解酵素ペプシンとなります。タンパク質からなる胃壁は自らを守るために粘液を出しているのです。
この粘液の分泌力が加齢で低下すると、胃壁は塩酸やペプシンの攻撃にさらされてダメージを受けやすくなり、胃炎や胃潰瘍の一因になります。
ピロリ菌に感染すると、粘膜などで胃壁を守る作用が衰え、いっそう胃壁の防御力が下がるのです。
ピロリ菌の除菌は胃を守るために重要なのです。ストレスも同様に体の防御力を落とします。
胃は筋肉質なのですが、運動不足で筋肉が衰えるように、加齢で食べ物を撹絆する能力も落ちてきます。
食べ物がきちんと撹絆されないと、それが小腸の負担となり、消化吸収が円滑に進みません。
食べ物はひと口ずつよく噛み、暴飲暴食を避け、撹絆力の衰えをカバーするとそれが即、胃のアンチエイジングになるのです。
関連参照:
ビタミン・ミネラル・便利事典
アディポネクチンの増やし方
サプリメントとの付き合い方
中高年からの筋肉作り
「加齢」との付き合い方
つまらんことでしょうか
上手に生きる更年期
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