抗ガン剤は、
点滴静脈注射、あるいは、経口剤として体内に入り、
血液中を流れて全身をめぐり、ガン細胞を攻撃します。
これが全身療法と言われる所以です。
多くの場合、多剤併用療法といって、
数種類の薬を併用するケースがほとんどです。
薬同士の相乗効果を狙うのです。
メカニズムとしては、ガン細胞が分裂する過程に機能して、分裂や増殖を邪魔したり、自滅(アポトーシス)に導こうというものです。
ガン細胞は分裂が早いために、その性質を利用して分裂時に叩くというのが多くの抗ガン剤の特徴です。
この際、正常な細胞も分裂しますので、同時に叩いてしまいます。
造血細胞が傷つけば貧血を起こし、白血球が少なくなることで抵抗力が衰え、深刻な感染症にかかることもあります。
毛細血管が傷つけば脱毛しますし、口腔粘膜なら口内炎ができやすくなります。
吐き気や嘔吐は、食道や胃の粘膜を傷つけてしまうことだけでなく、脳の嘔吐中枢やその受容体を刺激してしまうことで起こります。
この、吐き気、免疫機能の低下、脱毛は抗ガン剤の三大副作用と呼ばれています。
よく、「抗ガン剤は苦しい、つらい」という声が聞かれますが現在はだいぶ改善されています。
吐き気は革命的な制嘔吐剤で大きく緩和されています。
脱毛の方は、一連の治療が終了して、数週間もすれば回復しはじめます。
現状では、抗がん剤は、いまや、集学的なガン治療の中心的な役割を担っています。
ちなみに、局所療法である手術の補助療法という意味で、手術後に一定期間、抗ガン剤を使うのが「術後化学療法」と呼ばれています。
もうひとつの使われ方として、手術ができる大きさまで抗ガン剤でガンを縮小させておいて手術を可能にする「術前化学療法」があります。
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