生物はどのような仕組みで日照時間の変化を感知しているのでしょうか?
体内時計だけでなく体内カレンダーの仕組みの研究は進められ、その仕組みの一端が明らかになりました。
2008年、名古屋大学と理化学研究所が、ウズラの脳の下垂体正中隆起部と呼ばれる部分で、日照時間が長くなると作り出される「TSHβ」というホルモンを見つけました。
これは、春になって日照時間が長くなると表れる「春ホルモン」です。
次にこのホルモンの仕組みをくわしく調べると、光を浴びる時間の長さを変えることで、日照時間が違うふたつの条件をつくりだし、そこでマウスを飼育します。
ひとつは日照時間が長い16時間、もう一方は冬のように日照時間が短い8時間です。
そしてそれぞれのマウスについて、春ホルモンがつくり出される脳下垂体の遺伝子を調べてみると日照時間の長い条件で強く発現する遺伝子が246種類、短い条件で強く発現する遺伝子が57種類見つかりました。
そこから、春ホルモンは明け方に光りを浴びることでつくり出されることが確かめられたのです。
関連参照:
遺伝子検査とその活用
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