酸素の少ない状態、つまり体の中の状態でいえば温度の低い環境境のほうが状態もよく、細胞分裂も活発になるという性質を持っています。
これに対して好気性代謝を行なう細胞には、血液の豊富な暖かい環境のほうが適しています。
よく男性の睾丸は冷やしたほうがよく、
女性のお腹は冷やしてはいけないといいますが、
これは精子が嫌気性代謝を行なう細胞で、卵子が好気性代謝を行なう細胞だからなのです。
陰嚢がいわば、体の外側にあるのは、温めすぎると精子が死んでしまうからだと考えられます。
私たちの体を構成している細胞は、精子と卵子が結びついたものなので、
嫌気性代謝と好気性代謝、両方のエネルギー獲得サイクルをもっています。
たとえば、ウオーキングのような軽い運動を有酸素運動といいますが、
このとき使われるエネルギーは、酸素を使ったエネルギー代謝によってつくられたものです。
ところが、ベンチプレスや重量挙げのように、激しい運動をするときには、
好気性代謝ではエネルギーの供給が間に合わなくなるので、
体は嫌気性代謝によってエネルギーをつくるように切り替わります。
激しい運動のとき、息を止めているにもかかわらず、大きなエネルギーが出るのはこのためです。
ガン細胞が低体温のときに増殖しやすいのは、
実はガン細胞が嫌気性のエネルギーによって増殖する細胞だからなのです。
正常な細胞がガン化するというのは、
ミトコンドリア生命体から受け継いだ好気性代謝の経路が破壊され、
嫌気性エネルギーで増殖する細胞に変化するということを意味しています。
嫌気性代謝を行なうガン細胞にとっては、低体温のほうが都合がいいのです。
ガン細胞はガン患者だけにあるのではありません。
健康な人であっても、毎日、いくつものガン細胞がつくられては消えていくのです。
ですから、ガンになりたくなければ、
体温を恒常的に高い状態にしておくこと が何よりの予防法といえます。
また、体温を上げることは、すでにガンになってしまった人にも大きなメリットがあります。
それは、「ナチュラルキラー細胞(NK細胞)」というガン細胞を攻撃してくれるリンパ球の活性化が進むからです。
NK細胞の活性化が上がるのは、体温が37度以上のとき です。
ですから、お風呂に入ったり、ストレッチをしたりする習慣は、体に大きな負担をかけることなく
体温を上げることができるので、
体がガン細胞と闘うのを助けることにつながっていくのです。
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