人間の体には、
嫌気性エネルギー代謝と好気性エネルギー代謝、
この二つの代謝方法があります。
ゆっくりと、深く多くの酸素を取り込む有酸素運動では、このうち好気性エネルギー代謝を行なう「クエン酸サイクル」を回すことによってエネルギーを獲得しています。
実はこの獲得回路は、嫌気性代謝によって得られるエネルギーの何倍ものエネルギーを獲得できるのです。
クエン酸サイクルによって獲得できるエネルギー量は、嫌気性代謝の18倍といわれています。
なぜ、これほど大きなエネルギーが獲得できるのかというと、クエン酸サイクルでは、食事などから得た糖のほかに、疲労の原因となる「乳酸」を分解してエネルギーに変えるからなのです。
大きなエネルギーが獲得できるうえ、疲労物質が分解されるので、
筋肉を鍛えると、ハードな運動をしても疲れにくいエネルギッシュな体になる、というわけです。
このクエン酸サイクルは、イギリスの科学者ハンス・クレブス氏が発見したサイクルですが、
彼はこの発見により、1953年にノーベル医学生理学賞を受賞しました。
それくらい、このクエン酸サイクルは、科学上の大きな発見の一つと言えるのです。
このクエン酸サイクルはを効率よく回すには、ナイアシン、ビタミンB1、クエン酸の三つの物質が必要とされています。
ナイアシンをたくさん摂りたければ、タラコを食べるのが一番です。
ただし明太子になるとナイアシンがなくなってしまうので、ご注意ください。
ビタミンB1を含む代表的な食品は豆類が挙げられます。
そして、クエン酸をたくさん含む代表選手は梅干です。
なので、クエン酸サイクルを回してエネルギーをたくさん獲得したいのであれば、
たとえば、朝食時にタラコと枝豆と梅干を一緒に食べれば良い、ということになります。
そうすると疲れ知らずのまま、一日を過ごすことができます。
もっと簡単な方法もあります。
市販の滋養強壮飲料の中には、ナイアシンとビタミンB1がたくさん含まれているものが売れているので、それを飲んで梅干しを食べればよいのです。
たとえば、早朝からゴルフに行く、とか今日は深夜まで残業をする、などという場合。
そんな時は、クエン酸サイクルを回す食品を摂ると、疲れがぐっと軽減されます。
ただし、何事も「過ぎたるは及ばざるが如し」です。
この方法はあくまでもここぞというときに試して見るべきであって、毎日同じ食品を食べるようなことは決してしないようにしてください。
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