2014年6月21日土曜日

グローミューの話

東京大学の吉利内科で行われた実験です。

4℃の冷たい水の中に片方の腕を入れると、その手の温度はみるみるうちに下がっていきます。

これは、冷たい水に体温を奪われないように皮膚表面の血管が収縮し、血液が流れないようになったからです。

体温が下がったままずっと続くかと思われたのが、15分くらい経つと、不思議なことに手の温度が上昇してきます。

通常、人間の体内における血液循環は、まず心臓から出た血液が大動脈に入り、次々と細かい動脈管に分かれて、毛細血管に流れ込みます。

それから、こんどは細かい静脈管に入って、だんだんと太い静脈管を通って、最後に再び心臓へかえってくる、というのが一般に知られている大循環というものです。

ところが、毛細血管が収縮したままで血液が流れていないのに手の温度が上昇してきた、ということはどこかに血液の流れているところがある。

それが副血行路、つまりグローミューであることがわかったのでした。毛細血管を通らない、いわゆる近道(バイパス)があったのがわかったのです。

自然の山奥などに生存している猿やオオカミなどは寒い冬でも冷えることのないようにグローミューが完備しているのです。

人間も年をとってくるとこのグローミューが駄目にしてしまうものに、甘い物を食べる、アルコールの過食、過飲が挙げられます。

逆にグローミューを健全にする方法として毛管運動や温冷浴などが良いとされています。


関連参照:毛管運動


音痴解消


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