その頭にのっているちょんまげについて。
日本史家の磯田道史によれば戦国時代、ちょんまげを結うのはたいへんな激痛を伴った作業だったようだ。
ちょんまげは月代(さかやき)と言って頭のてっぺんをハゲにしなければならない。
初期には、頭頂の毛を木製の毛抜きで引き抜いていたらしい。
記録には「黒血流れて物すさまじ」とある。(『慶長見聞録』)
ちょっと想像しただけでもぞっとする。血だらけ、激痛、悲鳴、、、。
血と汗と涙でちょんまげを結っていたのだ。
その姿は遠くヨーロッパに報告されていた。
宣教師ロドリーゲスは、
「当時はまだ頭から髪の毛を引き抜いていたが、
太閤以後は髪を引き抜く代わりに剃刀で優美な格好に剃った」と言っている。
(『日本教会史』)
秀吉時代の天正期(1580年頃)になってようやく剃刀が使われるようになり、
ちょんまげが我慢大会ではなくなった。
それまでの武士は血みどろになって髪の毛を抜き、ちょんまげを結っていたのだ。
なぜ、ちょんまげを結うのか?
頭頂の毛を抜くのは、兜をかぶったとき蒸れないため ということらしい。
また、
ちょんまげは戦闘の準備行為であり、間接的に主君への奉公を象徴していたのだ。
逆にちょんまげを結わないのは武家習慣からの逸脱であり、主君の無視であった。
日本男子は痛みに耐えて日常これをやっていた。
みんながやればかなり異常なことでもやるのが日本人。
男はたいへんだな。
いまでも似たようなことありませんか?
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