屋外で運動するときに気をつけることがあります。
それは、夏場の熱中症です。
体温を上げることは体にとって絶対的によいことなのですが、夏場のように外気温が高い時に運動をすると、大量の汗をかくために、水分とミネラル分が体から失われ過ぎてしまう
「熱中症」を起こす危険性があります。
熱中症は対処が遅れると命にも関わる危険な病態です。
ただ、正しい予防と対処をするためにも、ここできちんと理解しておく必要があります。
悪いのは体温を上げることではなく、
水分とミネラル分が失われてしまうことだということです。
別の言い方をすれば、水分とミネラル分さえきちんと補っていれば、夏場でも安全に運動をすることができるということです。
夏場の水分は、喉が渇いたと自覚する前に摂ることが必要です。
喉が渇いたと感じてから飲むのでは遅すぎます。
ある程度、時間を決めて、定期的に水分摂取をするようにしましょう。
また、体の中の水分が足りているかどうかチェックする際の目安となるのが、
尿の色です。
体に充分な水分があれば、尿は透明に近いごくうすい黄色になります。
そして、体内の水分が減少すればするほど色が濃くなっていきます。
寝起きの尿の色が、日中のものより濃いことに気づかれる方もいると思いますが、あれは、睡眠中は水分補給ができないため、体内の水分量が減少した結果なのです。
ですから、
尿に色がついているなと思ったら、充分な水分をとることです。
でも、熱中症を予防するためには、水分の補給だけでは不十分です。
汗がしょっぱいことからもわかるように、汗には大量のミネラル分が含まれています。
この汗として失われるミネラル分をいっしょに補わなければ、水分を充分に摂っても熱中症になってしまいます。
汗で失われるミネラル分を水分と一緒に補うのにもっとも適しているのは、「アイソトニック飲料」、つまりスポーツドリンクといわれるものです。
アイソトニック飲料には、汗によって失われるミネラル分を水分がバランスよく含まれているので、熱中症の予防には優れた効果をもちます。
ただ、問題なのは市販のスポーツドリンクには糖分も含まれていることです。
マラソン選手のように同時に糖分も大量に消費する運動をする場合にはいいのですが、ダイエットを目的に運動している人の熱中症対策には少し問題もあります。
そこでお勧めしたいのが、
水の摂取に加えて「梅干し」と「バナナ」を摂ることです。
なぜ、「梅干し」と「バナナ」がいいのかというと、その欠乏が熱中症につながるナトリウムとカリウムを効果的に補うことができるからです。
梅干しはナトリウムを、バナナはカリウムを豊富に含んでいます。
ゴルフをする方はご存じだと思いますが、この二つはゴルフ場のクラブハウスにたいてい置いてあり、自由に食べることができるようになっています。
ちょっと高級なゴルフ場だと、これらに加えて「岩塩」が置いてあるところもあります。
なぜ、そんなサービスをしているのかというと、コースに出る前やプレイの途中でバナナや梅干し、岩塩などを摂ることが熱中症の予防に効果的だからなのです。
熱中症になってしまったら、体を日陰で休ませ、股関節や首など太い動脈の通っているところをアイシングするとともに、すぐに救急車を呼び、専門医に治療してもらうことが必要です。
熱中症になってしまってから、水分や梅干しを口に入れても遅すぎです。
でも、運動をする前に、梅干しとバナナ、そして水分を摂っていれば熱中症を予防することができます。
夏場は運動時でなくても、大量の水分を必要とする子供や、もともと体内の水分量の少ないお年寄りなどは熱中症を起こすことがあるので、ふだんから適切な予防対策を心がけておきたいものです。
●音痴解消